
2025/03/18
Nas(ナズ)のおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!

【第177回】おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご介シリーズ
リアルなストリートの物語と時代を超えるリリックでヒップホップの真髄を紡ぐヒップホップ界の巨匠ナズ(Nas)のおすすめアルバムをご紹介!
【おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ】の第177回です。
さて今回は、リアルなストリートの物語と時代を超えるリリックでヒップホップの真髄を紡ぐヒップホップ界の巨匠ナズ(Nas)のおすすめアルバムを5枚選んでご紹介します。
Nas(ナズ)について
ナズは、アメリカ合衆国ニューヨーク出身のヒップホップMC、作詞家、音楽プロデューサー、そして俳優として幅広く活躍するアーティストです。
1994年にリリースしたデビューアルバム『Illmatic』は、リアルなリリックと緻密なプロダクションでヒップホップの歴史に名を刻み、名作と称されています。
このアルバムには”NY State of Mind”や”One Love”といったクラシックな楽曲が収録され、ナズの卓越したストーリーテリング能力が高く評価されました。
ナズの音楽スタイルは、ジャズやソウルに影響を受けたトラックに乗せたリリシズムが特徴であり、彼の鋭い社会批評や個人的な経験を反映した歌詞は多くのファンに支持されています。
2枚目のアルバム『It Was Written』からは”Street Dreams”や”If I Ruled the World (Imagine That)”がヒットし、商業的な成功も収めました。
その後も『Stillmatic』や『God’s Son』などのアルバムをリリースし続け、ヒップホップシーンでの地位を確固たるものにしました。
特に2001年に発表した『Stillmatic』の”Ether”は、当時話題となったジェイ・Zとのビーフを象徴する楽曲として知られています。
ナズは音楽活動だけにとどまらず、映画やビジネス分野にも進出し、クリエイティブな才能を発揮しています。
また、自身のレーベル「Mass Appeal」を立ち上げ、新世代のアーティスト支援にも力を注いでいます。
30年以上にわたりヒップホップ界を牽引してきたナズは、依然として音楽シーンの最前線に立ち続け、2020年代に入ってからもアルバム『King’s Disease』シリーズでグラミー賞を受賞するなど、進化し続けるアーティストとしての地位を確立しています。
ナズの楽曲は、ヒップホップファンにとって時代を超えたメッセージを伝え続ける重要な作品です。
それでは今回はナズのオリジナル・アルバムから僕が好きな作品を5枚選んでランキング形式でご紹介します。
ベスト盤やコンピレーション・アルバムにライブ盤は除外しています。
まずは第5位からどうぞ。
ナズのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
第5位:Nas – 『God’s Son』
第5位は、2002年にリリースされた6作目のアルバム『God’s Son』です。
このアルバムは、ナズが個人的な悲しみを音楽に昇華させたもので、母親の死をテーマにした深い感情が込められています。
感情的でありながらも力強いトラックが特徴で、リスナーに強い印象を与えます。
第一弾シングルの”Made You Look”は、1970年代のファンクをサンプリングしたビートが印象的な楽曲です。
ナズのタフなリリックが際立ち、ニューヨークのストリートシーンへの愛を示しています。
この曲は、サンプリング・ネタとしては定番のインクレディブル・ボンゴ・バンドの”Apache”を使用しており、クラシックなヒップホップの魅力を現代に蘇らせた名曲として高い評価を受けました。
第二弾シングルの”I Can”は、ベートーヴェンの「エリーゼのために(Für Elise)」をサンプリングしたポジティブなメッセージソングです。
子どもたちに向けたインスピレーショナルなリリックが特徴で、夢を追い求める大切さを語りかけます。
この楽曲は多くのファン層に響き、商業的にも成功しました。
ちなみにこの曲のドラムループも”Apache”と同じく数多くのヒップホップのサンプリング・ネタとなったハニー・ドリッパーズの”Impeach the President”が使用されています。
“Impeach the President”は、レア・グルーヴとしても人気の高い曲です。
レアな曲ですが、ニューヨークのレア・グルーヴ曲を集めたコンピ盤『Funky Funky New York』に収録されています。
ここにきてナズが定番ネタをぶっこんできたのは驚きでした。
第三弾シングルの”Get Down”は、ジェームズ・ブラウンのファンク曲”Funky Drummer”や”The Boss”を基調にしたトラックが印象的です。
ナズの語り口調のラップは、彼のストリートライフの経験を鮮明に描き、リスナーを物語の世界に引き込みます。
このほか、”Thugz Mansion (N.Y.)”では2パックをフィーチャーしており、彼の死後の平穏な場所を求めるリリックが心に響きます。
また、”Last Real Nigga Alive”では、90年代のヒップホップ界の歴史的出来事を振り返る独自の視点が描かれています。
さらに、”Book of Rhymes”ではナズが書き溜めた未完成のリリックを読み上げるユニークな構成が話題となりました。
この曲は、トミー・テイトの1981年の曲”For the Dollar Bill”をサンプリングしています。
『God’s Son』は、ナズのアーティストとしての成熟を示すアルバムであり、彼の感情的な深みとリリシズムが凝縮されています。
第4位:Nas – 『King’s Disease II』
第4位は、2021年にリリースされた13作目のアルバム『King’s Disease II』です。
このアルバムは、ナズがヒットメイカーのプロデューサーヒットボーイ(Hit-Boy)と再びタッグを組み、現代的なサウンドと伝統的なヒップホップのエッセンスを融合させています。
アルバム全体にわたる成熟したリリックと深いテーマは、ナズのアーティストとしての成長を感じさせる一作です。
第一弾シングルの”Rare”は、ナズのリリックの巧みさを存分に発揮した楽曲で、モダンなビートに乗せて、彼のユニークなストリートの哲学が表現されています。
サウンド面でも、ヒットボーイのプロダクションによって、ナズのリリックが際立ち、リスナーに強い印象を与えます。
この曲は、ナズのライムと流れが見事に融合した、非常に完成度の高いトラックです。
第二弾シングルの”Brunch on Sundays”では、ナズがより軽やかで心地よいトラックに乗せて、彼自身の人生観や社会的なテーマを語ります。
この曲では、ナズの成熟した視点と、彼の音楽的な進化が感じられ、アルバムの中でも特に親しみやすい一曲となっています。
他にも本作には、”Death Row East”や”40 Side”など、ナズらしいストリート感とリアルな生活の描写が織り交ぜられた楽曲が続きます。
『King’s Disease II』は、ナズがヒップホップ界で培った経験を反映し、現代の音楽シーンにおいても強い存在感を示す作品となっています。
ヒップホップの古き良きスタイルと現代的なアプローチが融合し、ナズの音楽的な成長を感じることができる一枚です。
第3位:Nas – 『Stillmatic』
第3位は、2001年にリリースされた5作目のアルバム『Stillmatic』です。
このアルバムは、ナズの音楽的な進化とともに、当時のヒップホップシーンに新たな風を吹き込んだと評価されています。
特に、ナズとジェイ・Zとの有名なビーフ(争い)を背景に制作されており、その影響が強く感じられる楽曲が多く収められています。
第一弾シングルの”Rule”は、ナズの力強いリリックと、彼がストリートで培った知恵を反映した楽曲です。
ナズがどのようにしてルールを作り、支配してきたのかを語る内容で、アルバムのイントロダクションとしても機能しています。
ナズのリーダーシップと影響力を象徴するトラックです。
この曲は、ティアーズ・フォー・フィアーズの永遠の名曲”Everybody Wants to Rule the World”をサンプリングしています。
第二弾シングルの”Got Ur Self a Gun”では、ナズの不敵な態度と強烈なメッセージが込められています。
この曲は、彼の「武器」としてのラップ技術を象徴的に表現し、攻撃的でパワフルなサウンドが特徴です。
特にリリックが印象的で、彼のラップの才能が全開になっています。
アラバマ・スリーの1997年の曲”Woke Up This Morning”をサンプリングしています。
第三弾シングルの”The Flyest”は、ラッパーのAZをフィーチャーしたシリアスな曲です。
この曲は、70年代刑事ドラマやスパイ・スリラー映画のサウンドトラックとして最適なフランク・マクドナルドの”Night Moves”をサンプリングしています。
第四弾シングルの”One Mic”は、アルバムの中でも特に感情的な深さを持つ楽曲で、ナズの芸術的な一面を強調しています。
ナズが自己を表現するために「1本のマイク」を持って戦う姿勢を歌ったこの曲は、ヒップホップの力強さと影響力を感じさせる名曲として多くのファンに支持されています。
この曲は、フィル・コリンズの”In the Air Tonight”とバリー・ホワイトの”I’m Gonna Love You Just a Little More Baby”をサンプリングしています。
その他にも、『Stillmatic』には”Rewind”というユニークなトラックがあります。
この曲は、ナズが時間を逆行させながら物語を語るという形式で進行し、彼のリリックの巧妙さを際立たせています。
ティー・ラ・ロックの”It’s Yours”とJ・ガイルズ・バンドの”Monkey Island”と”I’m Not Rough”をサンプリングしています。
『Stillmatic』は、ナズが自身の地位を再確認し、ヒップホップ界におけるリーダーシップを確立した作品です。
ナズのリリック、ストリート感覚、そして音楽的な成長が詰まったアルバムであり、ヒップホップファンにとって欠かせない名作です。
第2位:Nas – 『It Was Written』
第2位は、1996年にリリースされたアルバム『It Was Written』です。
このアルバムでは、より洗練されたプロダクションと壮大なストーリーテリングが特徴で、独自のリリシズムを維持した作品となっています。
第一弾シングルの”If I Ruled the World (Imagine That)”は、ローレン・ヒルをフィーチャーした楽曲です。
彼女のソウルフルなコーラスとナズの哲学的なリリックが融合し、夢と希望を描いたメッセージソングとなっています。
第二弾シングルの”Street Dreams”は、ユーリズミックスのクラシック曲”Sweet Dreams (Are Made of This)”をサンプリングしたトラックが特徴です。
ナズがストリートライフとその危険性、そしてそこから抜け出す夢を語るこの楽曲は、彼の深いリリシズムを示しています。
他にも、”The Message”は強力なビートとナズの鋭いリリックが聴き手を引き込みます。
また、”I Gave You Power”は、ナズが拳銃そのものの視点から物語を語るというユニークな構成の楽曲で、彼の革新的なアプローチが際立っています。
“Affirmative Action”ではThe Firm(ナズ、フォクシー・ブラウン、コーメガ、AZ)とのコラボレーションが展開され、ストリートライフのリアルな描写が魅力です。
これらの楽曲を通じて、ナズは自分の哲学と現実を巧みに描き出し、リスナーに深い感銘を与えます。
『It Was Written』は、ヒップホップ界におけるナズの地位を確固たるものにした作品です。
本作でのナズの物語性豊かなリリックと洗練されたサウンドは、音楽的な進化とヒップホップにおける彼の影響力の強さを感じることができる内容です。
第1位:Nas – 『Illmatic』
第1位は、1994年にリリースされたデビューアルバム『Illmatic』です。
本作は、ヒップホップ史において最も影響力のあるアルバムの一つとされています。
この作品は、ニューヨーク・クイーンズブリッジでの生活をリアルに描写し、ナズの卓越したリリシズムとストリートの物語性が見事に融合した作品です。
全10曲で構成される『Illmatic』は、濃縮されたメッセージと緻密なプロダクションが特長です。
第一弾シングルの”Halftime”は、ナズのデビューを強烈に印象付けた楽曲です。
ブーンバップの硬派なビートに乗せて、ナズが自身のスキルや哲学を披露しています。
この曲はナズの才能を世に知らしめ、アルバム全体のトーンを決定付けました。
第二弾シングルの”It Ain’t Hard to Tell”は、スムーズなビートとナズのリリックが絶妙に調和しています。
この曲ではナズの洗練された語り口と音楽的センスが光り、ヒップホップファンから高い評価を得ました。
マイケル・ジャクソンの名曲”Human Nature”やすたんりー・くらーくの”Slow Dance”にクール&ザ・ギャングの”N.T.”をサンプリングしています。
また定番ネタのマウンテンの”Long Red (Live)”もサンプリングしています。
第三弾シングルの”Life’s a Bitch”では、ナズが盟友AZとともに人生の儚さや現実の厳しさを語ります。
コーラス部分でのAZの独特なフロウとナズの冷静な語りが、楽曲に深みを与えています。
ラストにはナズの父であるオル・ダラ(Olu Dara)がトランペットを演奏し、楽曲をエモーショナルに締めくくります。
この曲は、ギャップ・バンドの”Yearning for Your Love”をサンプリングしています。
第四弾シングルの”The World Is Yours”は、ニューヨークの風景とナズのビジョンが融合した楽曲です。
ピート・ロックがプロデュースを手掛け、メロディアスなトラックにナズのポジティブなメッセージが乗ります。
この曲は、ナズのキャリアを象徴する一曲として今でも多くのファンに愛されています。
マイルス・デイヴィスにも影響を与えた名ピアニストのアーマード・ジャマルの”I Love Music”やティー・ラ・ロックの”It’s Yours”にリムショッツの”Dance Girl”をサンプリングしています。
“I Love Music”が収録されているアーマード・ジャマルの1970年のアルバム『The Awakening』は、ヒップホップ・ファンも必聴のアルバムです。
このアルバムに収録されているハービー・ハンコックの曲”Dolphin Dance”でアーマッドがソロを弾く際にアドリヴで弾いたフレーズが、コモンの代表曲”Resurrection”のあの有名なピアノ・ループとして使われています。
第五弾シングルの”One Love”では、ナズが刑務所にいる友人への手紙という形でストーリーを展開します。
Qティップによるシンプルながら効果的なプロダクションが、楽曲にリアリティと親密さを与えています。
1975年にジミー・ヒース(テナー・サックス)、パーシー・ヒース(ベース)、アルバート・ヒース(ドラム)の3兄弟を中心に結成されたヒース・ブラザーズ(The Heath Brothers)の”Smilin’ Billy Suite, Pt. II”をサンプリングした曲です。
スタンリー・カウエルが奏でるカリンバの音色が印象的です。
その他にも、オープニングトラックの”N.Y. State of Mind”では、ナズがストリートライフを冷徹に描写し、彼のリリシストとしての実力を見せつけます。
“Memory Lane (Sittin’ in da Park)”や”Represent”なども含め、アルバム全体を通して、ナズの卓越した語り口と鋭い視点が際立っています。
『Illmatic』は、ヒップホップのクラシックとして今もなお多くのアーティストやファンに影響を与え続けています。
ナズの物語性、プロダクションの完成度、そして時代を超えたメッセージが詰まったこのアルバムは、ヒップホップの教科書とも言える名盤です。
本作を聴いてよく「ナズのビートはダサい」などとネット上でも揶揄されることがありますが…その点に関しては僕も何とも擁護しがたいのですが、しかしブーンバップの基礎という点では入門に最適なアルバムだとは思います。
ちなみにCD2枚組でリリースされた10周年記念盤『Illmatic 10th Anniversary Platinum Edition』もおすすめです。
以上、【Nas(ナズ)のおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!】でした。
ナズの音楽は、ヒップホップの歴史とともに進化し続け、時代を超えて多くのファンに愛されています。
『Illmatic』を筆頭に『It Was Written』『Stillmatic』『God’s Son』『King’s Disease II』など、ナズの代表作はそれぞれ独自のストーリーと音楽的な革新性を持ち、聴く者を魅了します。
鋭いリリックと卓越したストーリーテリング、そしてリアルなメッセージは、今もなお色あせることなく多くのリスナーに深い感動を与え続けています。
ナズのアルバムを通じて、ヒップホップの真髄をぜひ感じてみてください。
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