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カテゴリー:Music

2019/03/26

【今年でデビュー20周年!】ソウライヴのデビューアルバム『Get Down!』を聴こう♪

【今年でデビュー20周年!】ソウライヴのデビューアルバム『Get Down!』をご紹介します。

今でもライヴで演奏される名曲満載のアルバムです♪

僕の好きなバンドのソウライヴの作品を1枚ずつご紹介しているブログ記事シリーズです。

 

前回は、2005年のソウライヴの6作目『Break Out』をご紹介していました。

 

多彩な曲調が詰まった2005年のソウライヴの6作目『Break Out』を聴こう♪

そしてこれまでに書いてきたソウライヴのブログ記事も一ヵ所にまとめてみました。

 

ソウライヴのアルバムをご紹介したブログ記事シリーズのまとめ

しかしそのまとめ記事を見てよく考えてみたら、1999年にリリースされたソウライヴのデビュー作が抜けていたことを思い出しました。

 

順番は前後しますが、今年はちょうど1999年のデビューアルバム『Get Down!』から20周年ということでご紹介したいと思います。

 

Soulive – 『Get Down!』

01.So Live!
02.Uncle Junior
03.Rudy’s Way
04.Cash’s Dream
05.Turn It Out
– Bonus Tracks –
06.Brother Soul [Live]
07.Right On [Live]
08.Turn It Out [Live]

 

Personnel:
Neal Evans – Organ
Eric Krasno – Guitar
Alan Evans – Drums

 

 

 

アルバムについて

本作『Get Down!』は、1999年4月2日にソウライヴのリーダーでドラムを担当するアラン・エヴァンスと、その弟でキーボード奏者のニール・エヴァンス、そしてギタリストのエリック・クライズノーの3人がウッドストックのホーム・スタジオでセッションを行った際に吹き込まれた作品です。

 

その後、この吹き込み音源はエリック・クラズノーの兄ジェフ・クラズノーが設立した「ヴェロア・レコーディングス」というインディーズレーベルからデビューEPとしてリリースされました。

 

オリジナル盤には5曲収録されていました。

 

ソウライヴがメジャーデビューして大ヒットした後に本作がCDで再発され、その時にボーナス・トラックとして6~8曲目に収録されている3曲のライヴ音源が追加されています。

 

そのうち2曲はカヴァー曲になりますが、オリジナル盤に収録されている5曲は、全てソウライヴのメンバーによるオリジナル曲になります。

 

インディーズレーベルから発売されたデビュー作ということもあって、まだ粗いサウンドで収録されていますが……しかしこの5曲こそが「ソウライヴというバンドがやりたかった音楽」だと感じます。

 

そのため本作に収録されている”Uncle Junior”や”Rudy’s Way”は、今でもライヴで演奏されることがあります。

 

しかしオルガンのニール・エヴァンスが当時の未熟だった頃の作曲をあまり好きではないらしく、”So Live!”や”Turn It Out”はライヴで演奏されることがなくなりました。

 

個人的には、本作に収録されている5曲こそ「ソウライヴのありのままの姿を現した作品」だと感じるので、少し残念ではあります。

 

それでは1曲ずつご紹介したいと思います。

 

 

アルバムの内容

1曲目”So Live!”は、バンド名の”Soulive”とかけた曲名です。

 

デビュー作の1曲目が、バンド名と同じ発音の曲だというのが面白いですね♪

 

この曲はメンバー全員が作曲クレジットに記載されているので、3人でジャムりながら作曲していった曲なのでしょう。

 

昔ながらのブルーノート・レコードやプレスティッジ・レコードに残されたオルガン・ジャズの曲のようでありながら、少しヒップホップのブレイクビーツのようなドラミングやオシャレなテーマ・メロディーなどがとても「現代風」の曲です。

 

シンプルなオルガン・トリオの演奏ながら聴くものを飽きさせないのは、このバンドには色々な音楽的要素が混じっているからだと感じます。

 

ヒップホップの要素が混じったアラン・エヴァンスのドラムだけでなく、通常のジャズ・ギターと違ったチョーキングも交えたロック風のソロも弾きこなすエリック・クラズノーの腕にも寄る所だと思います。

 

こういったオルガン系ジャズ・ファンク・バンドだと、どうしてもグラント・グリーンやアイヴァン・”ブーガルー・ジョー”・ジョーンズに初期のジョージ・ベンソン風の「チョーキングをしないでクロマチックを基本としたフレージング」でギター・ソロを弾くことが多いのですが、エリック・クラズノーのギター・ソロはロック・ギターの要素も混じったようなフレージングを弾いています。

 

しかしそれこそがソウライヴというバンドの個性に繋がっていると思います。

 

単なる懐古主義のオルガン・ジャズ・バンドに留まることはなく、新しい音楽的要素全てを飲み込んだ「現代風」のバンドです!

 

時代背景を見てみると…ワイルド・ビル・デイヴィスやビル・ドゲットが50年代に演奏したオルガン音楽がジミー・スミスという新生によってオルガン音楽とハード・バップが合わさって「オルガン・ジャズ」として洗練されていきました!

 

その後、ブラザー・ジャック・マクダフやフレディ・ローチにジョニー・ハモンド・スミスやビッグ・ジョン・パットンなどによって60年代にオルガン・ジャズと当時流行っていたR&Bが合わさって「ソウル・ジャズ」が発展していき…

 

そしてジミー・マクグリフやロニー・スミスにリチャード・グルーヴ・ホームズやリューベん・ウィルソンなどによって70年代にオルガン・ジャズと当時流行っていたファンクが合わさって「ジャズ・ファンク」として発展していきました。

 

その後、停滞していたオルガン・ジャズ・シーンは、1999年にロックやヒップホップと混じってソウライヴのような「ジャム・バンド」サウンドが確立されたと思います。

 

ソウライヴのサウンドにロックやヒップホップの要素が混じっているのも、そういった時代背景があったからだと思います。

 

ソウライヴの音楽の面白さは、この「ハイブリッドな音楽性」にあるんだと思います。

 

ちなみにこの”So Live!”のライヴ音源が2作目の『Turn It Out』に収録されているので、そちらも要チェックです。

 

 

本作収録バージョンのまだぎこちないバージョンよりも、『Turn It Out』に収録されているライヴ・バージョンの方が出来が良いのは言うまでもありません。

 

やはりソウライヴは、バンド名通りに「ライヴで本領を発揮するバンド」なんですよね♪

 

同じことは次の2曲目”Uncle Junior”にも言えます。

 

この曲も『Turn It Out』に収録されているライヴ・バージョンの方が出来が良いです♪

 

アラン・エヴァンス作のこの”Uncle Junior”は、今ではソウライヴの代表曲のひとつで、現在でもライヴで演奏されています。

 

本作収録バージョンでは、まだエリック・クラズノーのギターはエフェクターを使わずにクランチ・サウンドでシンプルに弾いています。

 

しかし2001年辺りからワウペダルやディレイにトレモロなどのエフェクターをごちゃ混ぜで使うようになっています。

 

2005年辺りから曲の終盤で、空間系のエフェクターをOnにしたままワウギターでファンキーなカッティングを弾くのが定番となりました。

 

その演奏があまりにもグルーヴィーなので、ライヴのハイライトのひとつになっています♪

 

こういったフュージョンやロック・ギタリストのような感覚でエフェクターを多用するのも、ソウライヴが他のオルガン系ジャズ・ファンク・バンドと一線を画すところですね。

 

ニール・エヴァンスの書いた3曲目”Rudy’s Way”も、今でもライヴの定番曲です。

 

エリック・クラズノーが書いた4曲目”Cash’s Dream”も、たまにライヴで演奏されている曲です。

 

どちらの楽曲も「ソウライヴ流ジャズ・ファンク」が聴ける良曲です♪

 

“Rudy’s Way”の方は、2ndアルバムの『Turn It Out』に再録バージョンが収録されています。

 

そちらの方ではサックスが参加して、エリック・クラズノーとユニゾンでテーマ・メロディーを弾いています。

 

最後の5曲目”Turn It Out”は、個人的には良い曲だと思うのですが、ニール・エヴァンスがあまり気に入っていないためか?ライヴで演奏されることがなくなったもったいない曲です。

 

ちなみに本作のボーナス・トラックの8曲目にライヴ・バージョンが収録されていて、2ndアルバムの『Turn It Out』ではアルバム・タイトルに選ばれて再録バージョンが収録されています。

 

もちろん一番素晴らしいのは、ライヴ・バージョンの音源です♪

 

さて、本作を購入する際はぜひとも3曲のボーナス・トラックが追加された再発盤を手に入れて欲しいのですが、その理由は6曲目と7曲目のボーナス・トラックにあります。

 

6曲目”Brother Soul”は、ルー・ドナルドソンの1968年のジャズ・ファンク作品『Say It Loud!』に収録されていた曲です。

 

 

作曲者もルー・ドナルドソン自身です。

 

7曲目”Right On”は、アイヴァン・”ブーガルー・ジョー”・ジョーンズの1970年のジャズ・ファンク作品『Right On Brother』に収録されていた曲です。

 

 

この曲も作曲者はアイヴァン・”ブーガルー・ジョー”・ジョーンズ自身です。

 

どちらもオルガン系ジャズ・ファンクを代表するような名曲です♪

 

その名曲をソウライヴの手によって「現代風ジャズ・ファンク」に改良して演奏しています。

 

特に”Right On”の方は、10分以上の凄まじい演奏です!

5分30秒から始まるエリック・クラズノーのテンションの高いギター・ソロは必聴です♪
ちなみに2014年にソウライヴのステージにゲストでザ・ニュー・マスターサウンズのギタリストのエディー・ロバーツが登場したことがありました。

 

その際に演奏したのがこの”Right On”でした。

 

YouTubeで「soulive eddie roberts」なんかのキーワードで検索すると動画が見れますよ♪

 

エリック・クラズノーとエディー・ロバーツという現在を代表する2人のジャズ・ファンク系ギタリストのギター・バトルは必見です♪

 

 

以上、【今年でデビュー20周年!ソウライヴのデビューアルバム『Get Down!』を聴こう♪】でした。

 

今年2019年で、このデビュー作『Get Down!』が制作されてから20年も経つんですね。

 

デビュー20周年を記念して何か作品を発表してもらいたいところです。

 

それと2017年以来2年振りとなる来日公演にも期待したいところですね♪

 

 

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