2019/10/29
マイク・クラークとポール・ジャクソンの再会アルバム『The Funk Stops Here』を聴こう♪
ヘッドハンターズでお馴染みの鉄壁のリズム隊マイク・クラークとポール・ジャクソンが再会したアルバムを聴こう♪
前回ご紹介していた【ヘッドハンターズおすすめ4作品を聴いて極上のグルーヴに酔いしれよう♪】の続きではないのですが……
ヘッドハンターズおすすめ4作品を聴いて極上のグルーヴに酔いしれよう♪
今回は、ヘッドハンターズでお馴染みの鉄壁のリズム隊マイク・クラークとポール・ジャクソンが1991年に再会して制作したフュージョン/ジャズファンク作品『The Funk Stops Here』をご紹介します。
しかもヘッドハンターズ組の2人だけでなく、マイルス・デイヴィス組のケニー・ギャレットも参加した豪華面子によるアルバムです。
Mike Clark & Paul Jackson – 『The Funk Stops Here』
01.Steady Freddy
02.Four String Drive
03.Spider Man
04.Swamp Thing
05.Hotel Domingo
06.Jurasic Park
07.Funk Is … Bill Doggett
08.Pitt & The Pendulum
09.Slinky
10.Steady Freddy (Reprise)
Personnel:
Kenny Garrett – Saxophone
Jeff Pittson – Keyboards
Paul Jackson – Bass & Vocals
Mike Clark – Drums
アルバムの内容
1991年4月にフロリダにて録音された本作は、ヘッドハンターズ組のマイク・クラークとポール・ジャクソンの再会アルバムになります。
そこに後期マイルス・デイヴィス・バンドに参加していたのサックス奏者のケニー・ギャレットと鍵盤奏者のジェフ・ピットソンが感化したカルテットで制作されています。
収録曲の10曲は、全てこの4人と本作のプロデュースを担当した自身もドラマーであるジム・ペインの5名で書かれています。
このメンバーから予想できる通りに70年代後半以降のフュージョン/ジャズファンク調の楽曲で固められています。
ポール・ジャクソンの芯のある図太いベースから始まる1曲目”Steady Freddy”から予想通りのサウンドが聴こえてきます。
驚きこそないものの、さすがに一流ミュージシャン達によるスムースな演奏は嫌味なく聴くことが出来ます。
ケニー・ギャレットのサックスが自由奔放にメロディーを奏でるバックで、ポール・ジャクソンのベースもリズムをキープしつつも自己主張は忘れていません。
2曲目”Four String Drive”では、イントロではケニー・ギャレットが後期マイルス・バンドの楽曲のような怪しいメロディーを吹き、テーマ部分ではなんとハービーの『Head Hunters』収録の名曲”Chameleon”のようなリフを吹いています。
マイルス・デイヴィスとハービー・ハンコックという天才たちのバックで演奏した3人のメンバー達によるトリビュート演奏のようにも感じます。
3曲目”Spider Man”もどことなく『Head Hunters』風のキメ部分を持った楽曲です。
ジェフ・ピットソンのハービー風エレピソロもあります。
都会的なフュージョンの4曲目”Swamp Thing”を挟み、5曲目”Hotel Domingo”ではポール・ジャクソンが歌うシャッフル・ブルースが登場します。
6曲目” Jurasic Park”は、まるでグレイトフル・デッドのライヴパフォーマンスの1つ”Drums”みたいにマイク・クラークによるドラムのソロ演奏が収録されています。
そして7曲目”Funk Is … Bill Doggett”は、”Honky Tonk”で有名なオルガン奏者ビル・ドゲットへ捧げたようなタイトルの曲ですね。
といってもオルガンを起用しているわけでもなく、ソウルジャズってわけでもないのですが……。
8曲目” Pitt & The Pendulum”は、まさにケニー・ギャレットが得意とするようなフュージョン系の楽曲です。
せっかくのマイク・クラークとポール・ジャクソンの再会アルバムなのですが、どうしてもフロントマンであるサックスが目立ってしまうのは仕方ないことですね。
9曲目”Slinky”は、イントロのリフ部分がヘッドハンターズらしかったりするのですが、ケニー・ギャレットがテーマを吹き始めると途端に後期マイルス・バンド化します。
最後の10曲目”Steady Freddy (Reprise)”は、その曲名通りに1曲目の短い繰り返しでフェードアウトして終ります。
全10曲、ヘッドハンターズに後期マイルス・バンドの要素が混じり合った作品のようにも感じられますが、そのどちらもが中途半端に終わっているとも感じられるアルバムです。
以上、【マイク・クラークとポール・ジャクソンの再会アルバム『The Funk Stops Here』を聴こう♪】でした。
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