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カテゴリー:Music

2019/02/19

【エリック・クラプトン来日公演の予習に!】近年のクラプトンの近況を知れるようなライヴ盤『One More Car, One More Rider』を聴こう♪

エリック・クラプトンの来日公演の予習に持ってこい!ライヴ盤『One More Car, One More Rider』をご紹介します。

近年のエリック・クラプトンのライヴを知るのに最適な作品⁉

今回は、4月に日本武道館で開催予定のエリック・クラプトンの『黒澤楽器店 MARTIN GUITAR Presents ERIC CLAPTON LIVE at BUDOKAN 2019 日本武道館5DAYS』ツアーの予習に最適なライヴ盤をご紹介したいと思います。

 

それは、2002年にCD2枚組でリリースされた『One More Car, One More Rider』というアルバムです。

 

長いキャリアを誇るクラプトンには、数多くのライヴ盤が存在しています。

 

中には、CD4枚組ボックス・セットが丸々ライヴ演奏ばかり収録した『Crossroads 2 (Live In The Seventies)』という豪華な作品も存在しています。

 

 

 

しかし今回は、2000年代のクラプトンの演奏が聴けるライヴ盤の『One More Car, One More Rider』をご紹介したいと思います。

 

なぜなら『One More Car, One More Rider』には、以前このブログでも取り上げていた【エリック・クラプトンのおすすめバラード曲8選!泣ける名曲ばかり!】で選んだ名作バラード曲のライヴ・バージョンを多く含んでいるからです。

 

エリック・クラプトンのおすすめバラード曲8選!泣ける名曲ばかり!

『One More Car, One More Rider』には、上記のブログ記事でも取り上げていた”Tears In Heaven”や”Wonderful Tonight”に”Bell Bottom Blues”、そしてクラプトンを代表する名曲”Change The World”の全てのライヴ・バージョンが収録されています。

 

といったわけで本作は、ライヴ盤としてだけでなくベスト・アルバムとしても聴くことが出来ると思います。

 

それでは、さっそくご紹介したいと思います。

 

Eric Clapton – 『One More Car, One More Rider』

[Disc-1]
01.Key To The Highway
02.Reptile
03.Got You On My Mind
04.Tears In Heaven
05.Bell Bottom Blues
06.Change The World
07.My Father’s Eyes
08.River Of Tears
09.Goin’ Down Slow
10.She’s Gone

 

[Disc-2]
01.I Want A Little Girl
02.Badge
03.Hoochie Coochie Man
04.Have You Ever Loved A Woman?
05.Cocaine
06.Wonderful Tonight
07.Layla
08.Sunshine Of Your Love
09.Over The Rainbow

 

Personnel:
Eric Clapton – Guitar, Vocals
Andy Fairweather-Low – Guitar, Backing Vocals
David Sancious – Keyboards, Guitar
Greg Phillinganes – Keyboards
Nathan East – Bass
Steve Gadd – Drums

 

 

アルバムの内容

まずはディスク1からです。

 

1曲目は、B.B.キングとの2000年の共演作『Riding with the King』でも取り上げていた”Key To The Highway”です。

 

この曲は、1940年にブルース・ピアニストのチャーリー・セガールが初めてリリースした曲です。

 

その後、ブルース・ハーピストのジャズ・ジラムやジェフ・ベックにも影響を与えたブルースマンのビッグ・ビル・ブルーンジーによって取り上げられてブルースのスタンダード曲となっています。

 

特にブルース・ファンには、ビッグ・ビル・ブルーンジーの取り上げたバージョンが有名だったりするので、ブルーンジーの曲だと思っている人も少なくないとか⁉

 

ちなみにクラプトンが敬愛するフレディ・キングもファンキーにカヴァーしていたこともある曲です。

 

本作では、『Riding with the King』の時のようにアコースティック・ギターの弾き語りスタイルで歌われています。

 

でも、こういう弾き語りスタイルだとやはりビッグ・ビル・ブルーンジーを思い浮かべますね。

 

1994年のブルース・アルバム『From the Cradle』以降から続いていることなのですが、あれ以降のクラプトンは、無理に「がなる」ような歌い方をするようになりました。

 

エルモア・ジェームスやハウリン・ウルフのような力強い歌い方をする黒人ブルースマンたちを意識してのことなのか?よくわかりませんが、しかし喉の弱いクラプトンだからこそ!の歌い方をしても良いんじゃないかな?とは個人的に思います。

 

なにもブルースを歌うのに必ずしも「がなる」ような歌い方をする必要ってありませんもんね。

 

J.B.ルノアのように甲高い声や、スキプ・ジェイムスのようにファルセット声、なんなら喉の弱いクラプトンならミシシッピ・ジョン・ハートのように優しい歌声で歌えば合うんじゃないのかな?と思います。

 

ブルースマンと言っても、様々なボーカル・スタイルがあります。

 

なので、クラプトンには「無理して誰かの真似」するのではなくって、もっと「自然体のクラプトン」として歌って欲しいところです。

 

少しこの”Key To The Highway”も、力みすぎな歌い方です。

 

もっと肩の力を抜いて、自然体のままで歌って欲しいと感じます。

 

逆にギタープレイに関しては、申し分ないです!

 

さすがにカントリー・ブルースを弾かせてもしっかりと上手いですね!

 

次の2曲目”Reptile”は、2001年の名作『Reptile』の1曲目に収録されていたオシャレなインスト・ナンバーです。

 

この時点での最新作からの選曲ですね♪

 

アコースティック・ギターとアコースティック・ベース、それにオルガンをバックにクラプトンはP-90搭載のフルアコでリードギターを弾いています。

 

クラプトンの素晴らしいギターソロの後には、グレッグ・フィリンゲインズのオルガンソロやデイヴィッド・サンシャスのキーボードソロもあります。

 

デイヴィッド・サンシャスは、あのブルース・スプリングスティーンの初期のバック・バンド、Eストリート・バンド出身のミュージシャンです。

 

3曲目”Got You On My Mind”は、同じく『Reptile』からの選曲です。

 

この流れはアルバムと同じ流れですね。

 

少しドゥーワップ調のビッグ・ジョー・ターナーの1959年の曲です。

 

演奏前にクラプトンがMCで”Joe Turner”と紹介しているので、ビッグ・ジョー・ターナーのバージョンで知ったんでしょうね。

 

原曲は、ドゥーワップも演奏したピアニストのハワード・ビグスとアルト・サックス奏者のジョー・”コーンブレッド”・トーマスが1951年に書いています。

 

実際はビッグ・ジョー・ターナーよりも先に、1953年にバディー・モローが彼のオーケストラを率いて演奏していた曲です。

 

ビッグ・ジョー・ターナーのR&B調のバージョンとは違い、バディー・モローのバージョンは女性コーラスが上品なアレンジだったりします。

 

ちなみに本ライヴ盤では、クラプトンではなく長年クラプトン・バンドのサイドギタリストを務めているアンディ・フェアウェザー・ロウがギターソロを弾いています。

 

心地よくドライヴするロック・ギターといった感じですね♪

 

そしてここから3曲が聴きものです!

 

“Tears In Heaven”、”Bell Bottom Blues”、”Change The World”とクラプトンを代表するバラード曲が一気に続きます!

 

しかもその曲もアコースティック・ギターで優しく演奏されています。

 

まずは4曲目の”Tears In Heaven”は、1992年にリリースされたサントラ盤の『Rush』の10曲目に収録されていた曲です。

 

クラプトンが、幼くして亡くなってしまった息子のために捧げたアコースティックギターの音色が優しい名曲です。

 

ライヴ演奏でも涙なしでは聴けないような名演ですね。

 

5曲目”Bell Bottom Blues”は、1970年のデレク&ザ・ドミノス時代に頃に書かれた名バラードです。

 

女性に対して跪いて懇願するような、クラプトン流の「男の弱さ」を歌った哀愁漂うバラードですね。

 

本作では、アコースティック・ギターで演奏されているのが、またグッときます♪

 

そして6曲目”Change The World”は、今となってはクラプトンの歌った曲としては一番有名な曲なのかもしれません⁉

 

普段洋楽をあまり聴かない人でも、僕と同世代か年上の世代の人であればみんな知っているんじゃないかな?と思うぐらい有名な曲ですね。

 

しかしこの曲は、クラプトンのオリジナル曲ではありません。

 

元は女性カントリー・シンガーのワイノナ・ジャッドが歌った曲です。

 

その曲をベイビーフェイスがプロデュースしてクラプトンが取り上げられました。

 

ジョン・トラボルタ主演の1996年の映画『フェノミナン』 の挿入歌として使われていました。

 

1996年度のグラミー賞の最優秀楽曲賞に選ばれるような世界的に大ヒットした曲ですが、クラプトンのオリジナル・アルバムには未収録なんです。

 

しかしこれ以降のベスト盤に必ず収録される定番曲となりましたので、ベスト盤を購入すると気軽に聴けるようになりました。

 

それまでは、僕はシングル盤を購入して大事に聴いていましたからね…懐かしい思い出です。

 

 

さて、本作で初めてクラプトンの歌う”Change The World”のライヴ・バージョンが公式で発表されました。

 

その出来は…⁉

 

言うまでもありません!

 

最高に決まってるじゃないですか!!!!

 

ちょっと歌が力みすぎなところが僕は苦手だったりもするんですが、クラプトンの弾くアコギ・ソロやバックの演奏陣は最高です♪

 

この3曲は、ディスク1のハイライトともいえる流れですね♪

 

この次の4曲は1998年の『Pilgrim』からの選曲です。

 

僕が初めて買ったクラプトンのオリジナル作品が『Pilgrim』だったので、個人的には思い入れのある作品です。

 

なので、特に次ぎの2曲、”My Father’s Eyes”と”River Of Tears”はすごく好きな曲になります♪

 

『Pilgrim』からの第一弾シングルにもなっていた7曲目”My Father’s Eyes”からクラプトンはエレキギターに持ち替えます。

 

イントロからクラプトンのアドリヴ演奏が炸裂します!

 

このなんとも言えないストラトのフロント・ピックアップのトーンが最高ですね♪

 

スティーヴ・ガッドのドラム・スティックの合図とともに曲が始まります。

 

オリジナル・バージョンよりも少しテンポ・アップして演奏されています。

 

「ンチャンチャンチャンチャ♪」とバックビートを強調したリズムは、クラプトンお気に入りのレゲェ調ですね♪

 

8曲目”River Of Tears”は、同じく『Pilgrim』収録の長尺バラード曲です。

 

先ほどの”My Father’s Eyes”とは打って変わって、ゆったりとしたスロー・テンポのバラードなのですが……後半からガッドのドラムが凄いことになっています!

 

オルガンソロ後の6分34秒から始まるクラプトンのギターソロのバックで叩きまくっています!

 

7分24秒頃の連打が凄いのでドラマーの人は要チェックです!

 

次の9曲目”Goin’ Down Slow”も『Pilgrim』収録曲です。

 

オーティス・スパンにハウリン・ウルフやロバート・ロックウッドJr.など多くのブルース・ミュージシャンが取り上げたセントルイス・ジミー ・オーデンのブルース曲を、軽快なノリのオシャレなポップス風アレンジで演奏しています。

 

10曲目”She’s Gone”も『Pilgrim』に収録されていたクラプトンとサイモン・クライミーの共作曲です。

 

どちらもキャッチーな曲ではありますが、この時期以外はあまり演奏されることのない目立たない曲であることは否めませんね。

 

 

それでは引き続き、ディスク2にいきましょう。

 

ディスク2の1曲目は、2001年の『Reptile』に収録されていた”I Want A Little Girl”で始まります。

 

レイ・チャールズのカヴァー曲になります。

 

意外(?)といったら失礼かもしれませんが、なかなかクラプトンにあった曲調だと思います。

 

ダウンホームな雰囲気の転がるピアノ演奏に、ソウルフルに歌おうと頑張ったクラプトンのボーカルが悪くないです!

 

次の2曲目は、クリーム時代の名曲でクラプトンのライヴでは定番曲でもある”Badge”です。

 

このイントロのギターリフは、クラプトン好きのギタリストならみんな真似して弾いてみるんじゃないかな?という名リフですよね♪

 

それと最後のサビ前に一旦ブレイクしてから始まるあの印象的なギターリフも併せてです♪

もちろん僕も若い頃に耳コピしました!
クラプトンのギターソロの後は、一旦あの印象的なリフを挟んでからデイヴィッド・サンシャスのキーボードソロもあります。

 

この曲を聴くと…なんとなく終わりを感じさせる曲調と言い、クリーム最後の曲と言うこともあり、なんだかライヴもこの曲で終わってしまうような気がしちゃいます。

 

そして3曲目は『From the Cradle』でも取り上げていたマディ・ウォーターズの名ブルース曲”Hoochie Coochie Man”です。

 

スタジオ・バージョンではギターソロがありませんでしたが、本作のライヴではちゃんとギターソロも弾いています!

 

続く4曲目もブルースです!

 

デレク&ザ・ドミノス時代から演奏しているフレディ・キングの名曲”Have You Ever Loved A Woman?”です。

 

長年この曲を演奏しているためか、もはやクラプトンのオリジナル・ブルースとでも言えるぐらいに昇華しきっています!

 

ただ、ギターソロはさすがに若い頃よりも控えめですね。

 

1975年の名作ライヴ盤『E.C. Was Here』で聴けたような、血管ぶち切れ寸前ギター弾きまくり!ではないのは、仕方ないところです。

 

 

5曲目”Cocaine”は、これまたクラプトンのライヴではお馴染みのJ・J・ケイルのカヴァー曲です。

 

1974年の名盤『461 Ocean Boulevard』に収録されていた曲です。

 

定番ですが、この曲は外せませんね!

 

そしてもう1曲、絶対に外せないのが6曲目”Wonderful Tonight”です。

 

1977年の『Slowhand』に収録されていたクラプトンを代表する曲ですね。

 

大人の恋愛を描いた歌詞が素敵なバラード曲です。

 

僕は個人的には、1991年の『24 Nights/Recorded Live At The Royal Albert Hall, London. 1990-1991(24ナイツ)』に収録されていたバージョンの”Wonderful Tonight”が一番好きなのですが、本作のバージョンも悪くないです!

 

 

本作収録バージョンの少し面白いところが、クラプトンが歌い終わった後にデイヴィッド・サンシャスのキーボードソロが始まるのですが、クラプトンを含むバックの演奏陣がレゲェのリズムで演奏しているとこです。

 

クラプトンはほんと、レゲェ好きですよね。

 

そして本作も終盤、7曲目はご存じ”Layla”です!

 

デレク&ザ・ドミノス時代の名曲で、クラプトンの代表曲でもあります!

 

ちゃんと歌終わりのジム・ゴードン作のピアノ・パートもやっています!

 

あの部分がないと僕は”Layla”を物足りなく感じます。

 

それはまるでドアーズの”Light My Fire”のレイ・マンザレクによる長いオルガン・ソロと同じなんです。

 

たまにベスト盤に収録する際に、時間の問題で”Layla”や”Light My Fire”のピアノやオルガンのソロを編集して切って収録しているのを見かけますが、ほんと「わかってないな~…あの部分がいいんじゃないか!」と思っちゃったりします。

 

長い演奏には、ちゃんと訳があるんです!

 

ミュージシャンが本当に表現したかったものを完璧な形で聴きたいものです!

 

そういったわけで、僕はジム・ゴードン・パートが好きです。

 

まぁ残念ながら、スカイ・ドッグ(デュアン・オールマン)のスライドギターの名演は聴けませんが…。

 

更に追い打ちで8曲目は、クリーム時代の名曲”Sunshine Of Your Love”です!

 

こちらもクラプトンの代表曲ですね!

 

“Layla”も素晴らしいのですが、やはりクラプトンが作ったギターリフの中でもずば抜けて存在感が大きいのはこの”Sunshine Of Your Love”だと思います。

 

クラプトン好きのギタリストは、必ずこの2曲と”Crossroads”は真似して弾いてみますよね!

僕もジミヘン・バージョンではありますが…時々ギターの音出しでこのリフを弾くことがあります。
本作最後の曲は”Over The Rainbow”です。

 

原曲は1939年のミュージカル映画『オズの魔法使い』の挿入歌です。

 

どちらかと言うと、ジャズで演奏されることが多い曲ですが、ロックやブルース系のクラプトンが取り上げるなんて当時は驚きました!

 

 

 

 

 

 

 

以上、【近年のクラプトンの近況を知れるようなライヴ盤『One More Car, One More Rider 』を聴こう♪】でした。

 

本作を未聴だった方は、ぜひともエリック・クラプトン来日公演の予習に聴いてみてください♪

 

ちなみに本作は映像化もされており、DVDでは更に1曲多い20曲が収録されています。

 

 

しかもその1曲は、「5番目のビートルズ」とまで言われたキーボード奏者のビリー・プレストンが自作曲”Will It Go Round In Circles”を歌ったものです。

 

ビリー・プレストンは、惜しくも2006年に亡くなっていますが、彼が音楽業界で果たした功績は永遠に消えることはないでしょう!

 

ぜひとも映像作品の方でも、『One More Car, One More Rider』を楽しんでみてください♪

 

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