
2025/03/12
バスタ・ライムスのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
【第172回】おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご介シリーズ
圧倒的エネルギーと革新でヒップホップを切り拓くラップ界の革命児、バスタ・ライムス(Busta Rhymes)のおすすめアルバムをご紹介!
【おすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介シリーズ】の第172回です。
さて今回は、圧倒的エネルギーと革新でヒップホップを切り拓くラップ界の革命児、バスタ・ライムス(Busta Rhymes)のおすすめアルバムを5枚選んでご紹介します。
バスタ・ライムスについて
バスタ・ライムスは、アメリカ合衆国ニューヨーク州ブルックリンのイースト・フラットブッシュ出身のジャマイカ系ラッパーで、早口でエネルギッシュなフロウと圧倒的なリリックセンスで知られています。
アーティスト名の由来はNFL選手のジョージ・”バスター”・ライムズに由来します。
90年代初頭にラップグループ「リーダーズ・オブ・ザ・ニュー・スクール(L.O.N.S) 」のメンバーとしてキャリアをスタートさせ、その後ソロアーティストとしての成功を収めました。
バスタ・ライムスは1996年にリリースされたソロデビューアルバム『The Coming』で一躍注目を集め、収録曲の”Woo Hah!! Got You All in Check”は全米チャートで大ヒットを記録しました。
その後も『When Disaster Strikes…』や『Extinction Level Event: The Final World Front』などのアルバムが高く評価され、ヒップホップ界の重鎮としての地位を確立しました。
“Gimme Some More”や”Break Ya Neck”といった楽曲は、彼の高速ラップ・スタイルと独特なフロウを象徴しています。
その独特なスタイルや多彩な表現力は、ヒップホップだけでなく、R&Bやポップスシーンにも影響を与えました。
数々のコラボレーションも成功を収めており、マライア・キャリーとの” I Know What You Want”やジャネット・ジャクソンとの”What’s It Gonna Be?!”は国際的なヒットとなりました。
長年にわたるキャリアで数多くの賞を受賞し、2020年にはアルバム『Extinction Level Event 2: The Wrath of God』をリリースし健在ぶりを示しました。
2025年1月には、最新作となる『Dragon Season』もリリースしています。
バスタ・ライムスはヒップホップ界の進化を象徴する存在として、今なおシーンの最前線に立ち続けています。
バスタ・ライムスの音楽は、力強さと創造性に満ち溢れ、世界中のファンにインスピレーションを与え続けています。
それでは今回はバスタ・ライムスのオリジナル・アルバムから僕が好きな作品を5枚選んでランキング形式でご紹介します。
ベスト盤やコンピレーション・アルバムにライブ盤は除外しています。
まずは第5位からどうぞ。
バスタ・ライムスのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!
第5位:Busta Rhymes – 『Genesis』
第5位は、2001年にリリースされた5作目のアルバム『Genesis』です。
このアルバムでは、デジタルサウンドや革新的なプロダクションを取り入れ、バスタ・ライムスの音楽的な幅を広げるとともに、既存のスタイルに挑戦する姿勢を示しています。
アルバムの第一弾シングルとしてリリースされた”What It Is”は、控えめでミニマルなシンセサウンドとタイトなビートが特徴の楽曲で、女性シンガーのケリス(Kelis)をフィーチャーしています。
続く第二弾シングル”Break Ya Neck”は、ドクター・ドレーがプロデュースを担当し、バスタの高速ラップとエネルギッシュなフロウが際立つトラックです。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズの人気曲”Give It Away”をサンプリングしたこの楽曲はクラブシーンで大ヒットを記録し、バスタの代表曲の一つとなりました。
さらに、第三弾シングル”As I Come Back”では、バスタらしいユーモラスなリリックとキャッチーなビートが印象的です。
この曲は、バスタが在籍していたリーダーズ・オブ・ザ・ニュースクールがア・トライブ・コールド・クエストとコラボレーションした1992年の曲”Scenario (Remix)”をサンプリングしています。
セルフカバーのような感じですね。
第四弾シングル”Pass the Courvoisier, Part II”では、P.ディディやファレル・ウィリアムズとの共演が話題となり、演出が豪華なミュージックビデオも高い評価を得ました。
『Genesis』にはその他にも魅力的なトラックが数多く収録されています。
シンセのメロディーがユニークな”Truck Volume”では重厚なビートと攻撃的なフロウが融合し、”Make It Hurt”はそのタイトル通り、力強いビートとリリックでリスナーに衝撃を与える楽曲です。
攻撃的な”Shut ‘Em Down 2002″では、バスタのメッセージ性の強いリリックが展開されます。
この曲は、パブリック・エネミーの1991年の曲”Shut ‘Em Down”がサンプリングされています。
“Betta Stay Up In Your House”はソウルの要素を感じさせるサウンドが新鮮です。
ちなみにこの曲は、カーティス・メイフィールドの名曲”Eddie You Should Know Better”がサンプリングされています。
『Genesis』は、新たな音楽的アプローチを追求しながらも、バスタ・ライムスならではのエネルギーとユーモアを維持した作品です
第4位:Busta Rhymes – 『The Coming』
第4位は、1996年にリリースされたソロデビューアルバム『The Coming』です。
リーダーズ・オブ・ザ・ニュー・スクールからソロ活動に転じたバスタが、新たなヒップホップシーンのアイコンとして確固たる地位を築いた一枚です。
アルバムからの第一弾シングル”Woo-Hah!! Got You All in Check”は、バスタの独特なフロウとエネルギッシュなパフォーマンスが際立つ楽曲で、瞬く間にヒットを記録しました。
この楽曲はグラミー賞にノミネートされ、バスタ・ライムスの名を世界中に広めるきっかけとなりました。
この曲は、1960年代を中心に活躍した作曲家ガルト・マクダーモットの1969年の曲”Space”をサンプリングしています。
続く第二弾シングル”It’s a Party”は、女性R&Bデュオのジャネイ(Zhané)をフィーチャーしており、滑らかなビートとリラックスした雰囲気が印象的な一曲です。
クラブシーンでも人気を博し、パーティーアンセムとして広く支持されました。
この曲は、アトランタ出身のファンク・バンドのブリックのレア・グルーヴな曲”Fun”と、グローヴァー・ワシントン・ジュニアの”Hydra”をサンプリングしています。
第三弾シングル”Do My Thing”は、バスタらしいアグレッシブなスタイルを強調したトラックで、聴く者のテンションを高めるパワフルな楽曲です。
その他にも、”Everything Remains Raw”ではバスタ・ライムスのハードなラップスタイルが炸裂し、”Ill Vibe”ではQティップとのコラボレーションによる絶妙なケミストリーが楽しめます。
また、”Abandon Ship”は、バスタ・ライムスの鋭いリリックが際立つハードヒットな楽曲として人気です。
『The Coming』は、バスタ・ライムスの多彩な才能を存分に感じられるアルバムです。
大胆なプロダクションと彼の独創的な表現力が融合し、リスナーに新鮮な驚きを提供します。
ヒップホップの歴史における重要なターニングポイントとなった本作は、バスタ・ライムスのキャリアの中でも特に輝かしい作品と言えるでしょう。
第3位:Busta Rhymes – 『The Big Bang』
第3位は、、2006年にリリースされた7作目のアルバム『The Big Bang』です。
本作は、バスタ・ライムスにとって初の全米アルバムチャート1位を獲得した作品です。
ドクター・ドレーやJ・ディラをはじめとする豪華プロデューサー陣が手がけ、彼の音楽キャリアにおいて新たなマイルストーンとなった一枚です。
第一弾シングル”Touch It”は、繰り返されるシンプルなビートとバスタの迫力あるフロウが印象的な楽曲です。
ダフト・パンクの”Technologic”をサンプリングしたこの曲はクラブ・ヒットとなり、多数のリミックス・バージョンがリリースされるなど、幅広いリスナーから支持を得ました。
第二弾シングル”I Love My Bitch”は、ウィル・アイ・アムがプロデュースを担当し、シンガーのケリスがフィーチャリング参加した楽曲で、キャッチーなメロディと独自のリリックが際立っています。
第三弾シングル”New York Shit”では、スウィズ・ビーツのプロデュースによるクラシックなニューヨーク・ヒップホップのサウンドが展開され、地元への愛と誇りを強調したリリックが印象的です。
この曲は、S.S.O. オーケストラの”Faded Lady”をサンプリングしています。
第四弾シングル”In the Ghetto”は、リック・ジェームスの”Ghetto Life”をサンプリングしており、リック・ジェームス本人も参加したストリート感覚の楽曲として人気を博しました。
また、”Don’t Get Carried Away”ではラッパーのナズをフィーチャしており、”Cocaina”では女性シンガーのマーシャ・アンブロージアスとの共演が注目されました。
さらに、”Been Through the Storm”では、大御所スティーヴィー・ワンダーのソウルフルなボーカルが加わり、深みのある楽曲へと仕上がっています。
この曲は、フェリックス・キャヴァリエの”Everlasting Love”をサンプリングしています。
『The Big Bang』は、バスタ・ライムスの多面的な才能を最大限に引き出し、ヒップホップの枠を超えた新たな音楽体験を提供するアルバムです。
バラエティに富んだ楽曲と豪華ゲストによるコラボレーションが詰まったこの作品は、バスタ・ライムスの音楽キャリアにおいて重要な位置を占めています。
第2位:Busta Rhymes – 『When Disaster Strikes…』
第2位は、1997年にリリースされた彼の2作目のアルバム『When Disaster Strikes…』です。
このアルバムは、独特のフロウと革新的なプロダクションで高い評価を受け、多くのヒット曲を生み出しました。
第一弾シングル”Put Your Hands Where My Eyes Could See”は、ミニマルなビートとバスタの特徴的なラップが融合した楽曲です。
第40回グラミー賞で「最優秀ラップ・ソロ・パフォーマンス賞」にノミネートもされています。
続く第二弾シングル”Dangerous”は、キャッチーなフックとエネルギッシュなパフォーマンスが際立つ一曲で、全米9位を記録したバスタ・ライムスの代表曲の一つとして知られています。
第三弾シングル”Turn It Up (Remix) / Fire It Up”は、アル・グリーンの名曲”Love and Happiness”をサンプリングしたことで注目を集めました。
このリミックス版は、オリジナルの”Turn It Up”とは異なるアプローチで制作され、クラブシーンでも大いに盛り上がりを見せました。
なお、『When Disaster Strikes…』の一部のCDバージョンでは、トラック3の”Survival Hungry”が”Turn It Up (Remix) / Fire It Up”に置き換えられていることもあります。
この辺りの仕様の違いは、発売元の国により異なります。
さらに、エリカ・バドゥをフィーチャーした第四弾シングル”One”は、ソウルフルなサウンドとバスタのラップが美しく融合したネオ・ソウル風の楽曲で、異なるジャンルのアーティストとのコラボレーションの成功例として評価されています。
その他の収録曲として、フリップモード・スクワッドをフィーチャーした”We Could Take It Outside”では、バスタのアグレッシブなスタイルが際立ち、”Rhymes Galore”ではバスタのリリシズムが存分に発揮されています。
また、”So Hardcore”は、タイトル名とは異なりミニマルなビートと鋭いリリックが特徴の曲です。
バスタ・ライムスの早口ラップは、意外にもこういったミニマルなビートの方があっています。
むしろ早口ラップだからこそ、バックのビートが大人しめの方が合うのでしょうね。
『When Disaster Strikes…』は、バスタ・ライムスの創造性と多才さを示すアルバムであり、ヒップホップファンのみならず、幅広い音楽愛好家におすすめできる作品です。
バスタ・ライムスの独特な世界観とエネルギーを体感できる名盤です。
第1位:Busta Rhymes – 『Extinction Level Event: The Final World Front』
第1位は、1998年にリリースされた3作目のアルバム『Extinction Level Event: The Final World Front』です。
緊張感あふれるサウンドとアポカリプス(黙示)をテーマにしたコンセプトが融合し、バスタの芸術的なビジョンを強烈に打ち出した作品となっています。
このアルバムは、リリックの巧みさや多様な音楽性でファンや批評家から高い評価を受けました。
第一弾シングル”Tear da Roof Off”は、重厚なビートとバスタ特有のエネルギッシュなフロウが際立つ楽曲です。
続く第二弾シングル”Gimme Some More”は、クラシック映画『サイコ』のテーマ曲をサンプリングし、スピーディーでクセになるビートが話題を呼びました。
第三弾シングル”Party Is Goin’ on Over Here”では、ミニマルなリズムと控えめなシンセのサウンドがパーティーの終わりを告げるようなダウナーな楽曲です。
第四弾シングル”What’s It Gonna Be?!”は、R&B界のトップシンガーであるジャネット・ジャクソンとの共演で話題になったバラード風の楽曲です。
この曲では、バスタの情熱的なラップとジャネットの滑らかなボーカルが美しい調和を見せています。
その他にも、”Do It to Death”やフリップモード・スクワッドをフィーチャーした”Against All Odds”などの楽曲では、バスタの攻撃的なリリックが際立ち、”Iz They Wildin Wit Us & Gettin Rowdy Wit Us?”ではミスティカルとのコラボレーションによりダイナミックなサウンドが展開されています。
また、”Keepin’ It Tight”は、ファンキーなワウギターと心地よいフロウが融合した楽曲で、アルバムのバランスを保つ役割を果たしています。
『Extinction Level Event: The Final World Front』は、バスタ・ライムスの独自の音楽スタイルと創造性を存分に楽しめる一作です。
バスタ・ライムスの音楽キャリアの中でも重要な位置を占めるこのアルバムは、ヒップホップファンにとって必聴の作品といえるでしょう。
以上、【バスタ・ライムスのおすすめアルバムを5作品選んでランキング形式でご紹介!】でした。
バスタ・ライムスの音楽は、エネルギッシュなラップ、革新的なプロダクション、そして唯一無二のスタイルでリスナーを魅了し続けています。
今回紹介した5作品、『The Coming』、『When Disaster Strikes…』、『Extinction Level Event: The Final World Front』、『Genesis』、そして『The Big Bang』は、いずれもバスタの音楽的才能が凝縮された名作です。
それぞれ異なる魅力を持つこれらのアルバムを通して、バスタ・ライムスの音楽世界に浸り、その多彩なサウンドをぜひ体感してみてください。
ちなみに2007年にリリースされた故J・ディラに捧げたミックステープ・アルバム『Dillagence』もおすすめです。
何やらバスタは「J・ディラは亡くなる前に300を超えるビートを俺にくれた。」とのことで、そのビートが活かされた名作に仕上がっています。
タリブ・クゥエリも2曲でフィーチャーされています。
また2013年にリリースされた盟友Qティップとのコラボ作品『The Abstract & The Dragon』もおすすめです。
この2作品を聴いていると、なんだかヒップホップの長い歴史を感じますね。
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