
2025/05/31
ブルース・スプリングスティーンの『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』を完全ガイド:80年代ロックの名盤の魅力と収録曲を徹底解説

ブルース・スプリングスティーンの名盤『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(Born in the U.S.A.)』を聴こう!
アメリカのロック界の巨匠、ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)が1984年にリリースした『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(Born in the U.S.A.)』は、スプリングスティーンのキャリアを代表する名盤として知られています。
このアルバムは、Eストリートバンドとの息の合った演奏と、心に刺さる歌詞で、全世界で1500万枚以上を売り上げたヒット作です。
特に、”Dancing in the Dark”や”Born in the U.S.A.”といった代表曲は、今も多くの音楽ファンを魅了し続けています。
今回は、『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(Born in the U.S.A.)』の収録曲を1曲ずつ詳しく解説し、ブルース・スプリングスティーンの魅力に迫ります。
スプリングスティーンの音楽がなぜ時代を超えて愛されるのか、ぜひ一緒に紐解いてみませんか?
『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』徹底解説:ブルース・スプリングスティーンの名盤とその魅力
ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)が1984年にリリースしたアルバム『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(Born in the U.S.A.)』は、80年代ロックを代表する名盤として今なお語り継がれています。
このアルバムは、ブルース・スプリングスティーンと長年のパートナーであるEストリートバンドの力を結集し、全米で大ヒットを記録しました。
本記事では、『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』のアルバム内容や収録曲を詳しく紹介し、ブルース・スプリングスティーンの代表曲がどのようにして生まれたのか、その背景や魅力を掘り下げます。
『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』とは?アルバムの概要と背景
『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(Born in the U.S.A.)』は、1984年6月4日にリリースされたブルース・スプリングスティーンの7枚目のスタジオアルバムです。
このアルバムは、アメリカの労働者階級の生活や葛藤を描いた歌詞と、力強いロックサウンドで知られています。
Eストリートバンドの演奏が光る本作は、全世界で1500万枚以上を売り上げ、ブルース・スプリングスティーンを世界的スターへと押し上げました。
特に、アルバムからの第一弾シングルである”Dancing in the Dark”は全米シングル・チャートで2位を記録し、スプリングスティーンの最も売れた曲として歴史に名を刻んでいます。
スプリングスティーン曰く、「プリンスのおかげで1位を取れなかった」とのことです。
当時はプリンスが”When Doves Cry”(ビートに抱かれて)で全米1位を記録していた時期でした。
ブルース・スプリングスティーンは、「ボス(The Boss)」の愛称で親しまれ、アメリカの心を歌うアーティストとして知られています。
このアルバムでは、ベトナム戦争の影響や経済的な苦難など、当時の社会問題をテーマにした楽曲が多く収録されており、スプリングスティーンの深いメッセージ性が感じられます。
それでは、収録曲を1曲ずつ詳しく見ていきましょう。
『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』収録曲の詳細解説
ここからは名盤『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(Born in the U.S.A.)』に収録されている全12曲を順番にご紹介します。
1.”Born in the U.S.A.”
アルバムのタイトル曲である”Born in the U.S.A.”は、力強いドラムとシンセサイザーが印象的な代表曲です。
アルバムからの第三弾シングルとしてもリリースされています。
表面的には愛国的な歌に聞こえますが、実はベトナム戦争帰還兵の苦悩を描いた皮肉のこもった楽曲です。
当時、共和党(タカ派)の大統領候補レーガンの再選キャンペーンに利用されそうになった有名な話がありますが、スプリングスティーンは熱心な民主党(ハト派)の支持者であり、またこの曲は単に愛国心を歌った曲ではありません。
曲の歌詞をよく読んでみると、「お国にためにベトナムまで行って必死で戦ってきたのに、俺たちの仲間は次々と死んでいき、個人的な恨みもないベトナム人と命のやりとりをしなければならない。結局は何のための戦争かわからず、俺たちは何のために命を懸けて戦っていたんだ?」
そして「戦争が終わって国に帰ったら、仕事もない。俺たちは国のために尽くしたのに職にありつくことすら出来ない!」と当時のアメリカの帰還兵の酷い状況を歌っています。
そして極めつけは、「それでも俺たちはアメリカという国に生まれたんだ!このアメリカで生きていくしかないんだ!」と皮肉たっぷりに歌っています。
しかしシンセサイザーの派手なアレンジや、80年代当時の好景気に沸くアメリカの快楽主義的な状況からこの曲の歌詞を「アメリカ賛歌!」と勘違いしている人は今でも多くいます。
僕は過去に「英語→日本語」の翻訳を学んでいたことがあるのですが、僕らのクラスで唯一プロの翻訳家になれた同級生がいました。
その友人は英検準一級を余裕で一発合格しています。
TOEICも900点以上を余裕で取っていました。
しかしそんな彼はこの曲を「アメリカ賛歌!」と勘違いしてブルース・スプリングスティーン自体を嫌っていました。
スプリングスティーン好きの僕としては、その友人の「ブルース・スプリングスティーン批判」はとてもイラつきました。
しかしプロの翻訳家になれるような人でもこの曲の歌詞を勘違いするものなのですね。
そもそもネイティヴ・スピーカーのレーガン大統領も勘違いするぐらいですからね。
芸術の理解には、テストの点や学歴に社会的地位は一切関係ないのだと身を持って感じました。
ちなみにこの曲の初期バージョンが1998年にリリースされたCD4枚組ボックス・セット『Tracks 』に収録されています。
[Disc-2]の15曲目に”Born in the U.S.A. [Demo Version]”というタイトルで収録されています。
ここではアルバム・バージョンのオーバー・プロダクションが施されていないアコースティックギターの弾き語りバージョンが収録されています。
おそらくこのアレンジで世に出ていたのならば、この曲が「アメリカ賛歌!」ではなく、皮肉たっぷりの曲だということがもっと伝わったのかも?
曲調やアレンジも大事ですね。
しかし個人的にはアルバム・バージョンのあのシンセサイザーの派手なバージョンの方が好きです。
ロイ・ビタンが弾くあのシンセのフレーズは、音色が派手なのでポジティヴに聞こえますが…耳を澄ましてよ~く聴いてみると、音がヨレてます。
少し音程が不安定なあのヨレに、どこかアメリカ社会への悲観的なムードを感じます。
曲の始まりから終わりまでひたすら続く同じフレーズのリフレインも「何も変わらないアメリカ社会」への皮肉に感じられます。
ルー・リードの”Satelite of Love”も元はと言えばアコースティックギターのしっとりした曲調でしたが、デヴィッド・ボウイのアレンジでゴージャスな曲に変わったのですが、このスプリングスティーンの”Born in the U.S.A.”にも似たような「アレンジしてより良くなった」感がします。
そしてこの曲は、ブルース・スプリングスティーンの社会への鋭い視線が感じられるヒット曲として、多くのファンに愛されています。
皮肉めいた歌詞や勘違いされやすいその内容とは裏腹に、ライブでは大合唱が巻き起こる人気曲であることには違いありません。
2.”Cover Me”
“Cover Me”は、ダンサブルなビートとキャッチーなギターリフが特徴の楽曲です。
アルバムからの第二弾シングルに選ばれています。
恋愛における不安や保護を求める心情を歌ったこの曲は、ライブでも盛り上がりを見せる人気曲です。
Eストリートバンドのエネルギッシュな演奏が際立っています。
3.”Darlington County”
“Darlington County”は、アメリカ南部の田舎町を舞台にした陽気な曲です。
労働者階級の友情や冒険心を描いた歌詞が、ブルース・スプリングスティーンのストーリーテリングの才能を示しています。
軽快なリズムが心地よい一曲です。
4.”Working on the Highway”
“Working on the Highway”は、50年代ロックンロールの影響を受けたアップテンポな楽曲です。
道路工事に従事する男の恋物語を描いており、シンプルながらも心に残るメロディが魅力です。
5.”Downbound Train”
“Downbound Train”は、失業と失恋に苦しむ男の悲哀を歌ったバラードです。
ブルース・スプリングスティーンの感情的なボーカルが胸を打ち、アルバムの中でも特に深い余韻を残す一曲として知られています。
6.”I’m on Fire”
“I’m on Fire”は、静かな情熱を秘めたミディアムテンポの楽曲です。
抑制されたドラムとギターが織りなす雰囲気の中、恋の切なさが滲み出ています。
この曲も第四弾シングルとしてリリースされ、ヒット曲の一つとなりました。
7.”No Surrender”
“No Surrender”は、青春の誓いと友情を謳歌するエネルギッシュなナンバーです。
Eストリートバンドの力強い演奏が光り、ライブでも盛り上がる曲です。
ブルース・スプリングスティーンの情熱が詰まった一曲です。
8.”Bobby Jean”
“Bobby Jean”は、別れと感謝をテーマにした感動的な楽曲です。
Eストリートバンドのメンバーへのオマージュとも解釈され、ファンにとっては特別な意味を持つ曲として知られています。
ロイ・ビタンらしい憂いのあるピアノのメロディーが心に染みます。
9.”I’m Goin’ Down”
“I’m Goin’ Down”は、恋愛の終焉を描いたビターなロックチューンです。
軽快なリズムとは裏腹に、切ない歌詞が印象的で、ブルース・スプリングスティーンの表現力の高さが感じられます。
アルバムからの第六弾シングルにも選ばれています。
10.”Glory Days”
“Glory Days”は、過去の栄光を懐かしむノスタルジックなヒット曲です。
キャッチーなメロディとユーモアあふれる歌詞が魅力で、ライブでも観客を大いに盛り上げます。
Eストリートバンドとの息の合った演奏が楽しめます。
アルバムからの第五弾シングルとして全米5位とヒットも記録しています。
11.”Dancing in the Dark”
“Dancing in the Dark”は、アルバムからの第一弾シングルであり、ブルース・スプリングスティーンの最も売れた曲です。
全米シングル・チャート2位を記録し、シンセポップの要素を取り入れたサウンドが当時のトレンドを捉えました。
孤独と情熱を歌ったこの曲は、MVでのダンスシーンも話題となり、スプリングスティーンのキャリアにおけるターニングポイントとなりました。
もちろんライブでも人気の曲です。
12.”My Hometown”
“My Hometown”は、故郷への愛とその衰退を描いた穏やかなバラードです。
ブルース・スプリングスティーンのルーツを感じさせる歌詞が心に響き、アルバムの締めくくりにふさわしい一曲です。
アルバムからの第七弾シングルとして最後にリリースされています。
昨年2024年には本作のリリース40周年を記念してCD4枚組&未発表写真満載フォトブック付きで40周年日本独自企画盤『ブルース・スプリングスティーン | ボーン・イン・ザ・U.S.A. (40周年記念ジャパン・エディション)』というファン必携のデラックス盤もリリースされています。
『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』が残した影響とブルース・スプリングスティーンのレガシー
『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(Born in the U.S.A.)』は、ブルース・スプリングスティーンを単なるロックスターから、アメリカの声を代弁するアーティストへと昇華させました。
Eストリートバンドとの完璧なコラボレーションにより生まれたこのアルバムは、ヒット曲の数々とともに、音楽史に燦然と輝く名盤です。
特に”Dancing in the Dark”や”Born in the U.S.A.”といった代表曲は、今もなお多くのアーティストに影響を与えています。
このアルバムは、アメリカの労働者階級のリアルな声を届けた名盤です。
ブルース・スプリングスティーンの音楽は、労働者階級の苦悩や希望をリアルに描き出し、リスナーに深い共感を呼び起こします。
『ボーン・イン・ザ・U.S.A.(Born in the U.S.A.)』を聴けば、スプリングスティーンがなぜ「ボス」と呼ばれるのか、その理由が分かるはずです。
ぜひこのアルバムを手に取って、ブルース・スプリングスティーンの世界に浸ってみてください。
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