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2026/05/23

パール・ジャムの4thアルバム『No Code』徹底解説!|制作秘話と”Who You Are”に”Hail, Hail”等アルバム全曲レビュー!

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パール・ジャムの4thアルバム『No Code』を徹底解説!1996年グランジ/オルタナティヴ・ロックの作品を全曲紹介します。

パール・ジャム(Pearl Jam)が1996年にリリースしたアルバム『No Code』は、グランジの象徴的なバンドが新たな方向へ大きく舵を切った作品です。

 

このアルバムは、従来のスタジアムロック的なサウンドから離れ、多様な音楽性を取り入れた実験的な1枚としてファンの間で今も語り継がれています。

 

今回はパール・ジャムの4作目『No Code』について詳しくご紹介します。

 

パール・ジャムの4作目『No Code』とは?グランジを超えた挑戦のアルバム

パール・ジャムが1996年にリリースした4枚目のスタジオアルバム『No Code』は、バンドの歴史の中で大きな転換点となった作品です。

 

前作までの激しいグランジサウンドから離れ、東洋的なリズム、ワールドビート、フォーク、ガレージロックなど多様な音楽性を大胆に取り入れた実験作として、多くのファンの記憶に残っています。

 

エディ・ヴェダー、ストーン・ゴッサード、マイク・マクレディ、ジェフ・アメント、そして新加入のジャック・アイアンズによる『No Code』は、過酷なツアーの疲弊とバンド内の緊張の中で制作されました。

 

それでも、Billboard 200で初登場1位を獲得し、シングル”Who You Are”はModern Rockチャートで1位を記録するなど、商業的にも一定の成功を収めました。

 

本記事では、アルバムの背景や制作秘話、シングル3曲を中心とした全収録曲の詳しい解説をお届けします。

 

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『No Code』とは?アルバムの概要と背景

『No Code』は1996年8月27日にエピック・レコード(Epic Records)からリリースされました。

 

4枚目のスタジオアルバムで、前作『Vitalogy』でのTicketmasterボイコットツアーの疲弊の中で制作された作品です。

 

プロデューサーはブレンダン・オブライエンで、バンド自身も共同プロデュースを務めました。

 

アルバムタイトル「No Code」は、医療用語の「蘇生するな」という意味から来ており、エディ・ヴェダーは「コードがいっぱい詰まっている。誤情報だ」と表現しています。

 

パッケージングは156枚のポラロイド写真を使った斬新なデザインで、パール・ジャム(らしいアートワークが話題になりました。

 

前作までのグランジ全盛期のイメージから脱却し、ガレージロックやワールドミュージック、フォーク、実験的な要素を大胆に取り入れています。

 

ジャック・アイアンズの加入により、トライバル(部族的)でポリリズミックなドラミングが新鮮な響きを加えました。

 

このアルバムは、パール・ジャムが「自分たちの音楽」を追求した転換点と言えるでしょう。

 

商業的成果と批評家の反応

本作はリリース直後、『No Code』はBillboard 200で初登場1位を獲得し、初週で約36万5千枚を売り上げました。

 

ただし、過去作に比べてセールスは控えめで、RIAAではプラチナ認定(130万枚以上)を受けました。

 

リードシングル”Who You Are”はModern Rockチャートで1位を記録するなど、一定の成功を収めています。

 

批評家からの反応は賛否両論でした。

 

音楽の多様性や実験性を高く評価する声がある一方で、「一貫性に欠ける」「断片的」と指摘するレビューもありました。

 

それでも、パール・ジャムの幅広い音楽性を示した重要な作品として、現在では再評価が進んでいます。

 

『No Code』の収録曲全曲解説

ここからは、『No Code』に収録された全13曲を1曲ずつ詳しく解説します。

 

総収録時間は約49分30秒です。

 

1.”Sometimes”

“Sometimes”は、アルバムのオープニングを飾る静かな曲です。

 

エディ・ヴェダー作曲で、ほとんどインストゥルメンタルに近いアンビエントな雰囲気です。

 

穏やかなギターとピアノが心地よく、従来の激しいオープニングとは対照的なスタートを切ります。

 

2.”Hail, Hail”

本作からの2ndシングル”Hail, Hail”は、ストーン・ゴッサード、ジェフ・アメント、マイク・マクレディによる作曲で、ガレージロックのエネルギッシュなナンバーです。

 

困難な関係性を描いた歌詞に、エディ・ヴェダーの力強いボーカルが乗ります。

 

前作までのパール・ジャムらしい歪んだギターサウンドを残しつつ、ダイナミックな展開が魅力です。

 

アルバム序盤の盛り上げ役として機能しており、ライブでの演奏頻度も高い人気曲です。

 

バンドのロック魂を感じられる1曲で、アルバムのテンションを一気に引き上げます。

 

3.”Who You Are”

本作からの1stシングルとして1996年7月30日にリリースされた”Who You Are”は、多種多様なアルバムの方向性を象徴する楽曲です。

 

ストーン・ゴッサードとジャック・アイアンズが作曲を担当し、東洋的なギターリフとポリリズミックなドラムが特徴的です。

 

エディ・ヴェダーのボーカルは瞑想的で、自己探求やアイデンティティをテーマにした歌詞が印象的です。

 

従来のパール・ジャムのサウンドとは一線を画すワールドミュージック寄りのアレンジは、当時多くのリスナーを驚かせました。

 

モダンロック・チャートで1位を獲得したヒット曲であり、ライブでは独特のリズムが観客を魅了します。

 

4.”In My Tree”

“In My Tree”は、ストーン・ゴッサード、ジャック・アイアンズ、エディ・ヴェダーによる作曲です。

 

トライバル(部族的)なドラムが際立つミドルテンポのナンバーで、木の上から世界を見つめるような歌詞が特徴です。

 

パール・ジャムらしいロックとワールドビートの融合を感じられます。

 

5.”Smile”

“Smile”は、ザ・フロッグス(The Frogs)のデニス・フレミオンからの手紙を基にした歌詞で、ハーモニカが印象的なフォークロック調の曲です。

 

キャンプファイヤーで歌いたくなるような温かみがあります。

 

6.”Off He Goes”

アルバムからの3rdシングル”Off He Goes”は、エディ・ヴェダー単独作曲のゆったりとしたバラードで、アルバムの中でも特に情感豊かな楽曲です。

 

約6分にわたる演奏時間の中で、繊細なハーモニーとアコースティックな響きが広がります。

 

歌詞は「自分はクソな友人だ」と自己嫌悪を込めて書かれたもので、エディ・ヴェダーの内省的な一面が強く表れています。

 

ブレンダン・オブライエンのピアノも加わり、温かみのあるサウンドに仕上がっています。

 

パール・ジャムのバラード曲として根強い人気があり、静かな夜にじっくり聴きたくなる名曲です。

 

7.”Habit”

“Habit”は、エディ・ヴェダー作曲の激しいガレージロックです。

 

ドラッグをテーマにした苛烈な歌詞とスナーリーなボーカルが炸裂します。

 

短めながらも密度の高い1曲です。

 

8.”Red Mosquito”

“Red Mosquito”は、バンド全員がクレジットされた曲です。

 

1995年のサンフランシスコ公演でエディ・ヴェダーが食中毒になった経験から着想を得たナンバーです。

 

マイク・マクレディのブルージーなギターが印象的で、ムーディーな雰囲気が魅力です。

 

9.”Lukin”

“Lukin”は、エディ・ヴェダー作曲のわずか1分強の短いパンクロックです。

 

ストーカー問題に悩まされた当時の心情を爆発させたような激しい曲で、アルバムのアクセントになっています。

 

10.”Present Tense”

マイク・マクレディ作曲の”Present Tense”はメランコリックで美しいミッドテンポの曲で、後年ライブで人気を博しました。

 

パール・ジャムの情感豊かな側面を体現しています。

 

11.”Mankind”

“Mankind”は、ストーン・ゴッサードが作詞・リードボーカルを務めた珍しい曲です。

 

パンク寄りのエネルギッシュなロックで、バンド内のクリエイティブな多様性を示しています。

 

12.”I’m Open”

“I’m Open”は、ジャック・アイアンズとエディ・ヴェダーによる曲です。

 

スポークンワード要素を取り入れた実験的なトラックで、瞑想的な雰囲気です。

 

13.”Around the Bend”

アルバムを締めくくる”Around the Bend”は、エディ・ヴェダー作曲のララバイ(子守唄)です。

 

ジャック・アイアンズの息子のために書かれた優しい曲で、静かにフェードアウトするエンディングが印象的です。

 

パール・ジャムの優しい一面を感じられる名曲です。

 

『No Code』がパール・ジャムの歴史に残したもの

『No Code』は、パール・ジャムがメインストリームの成功から距離を置き、自分たちの表現を優先したアルバムです。

 

ジャック・アイアンズの加入によるリズムの変化、多様なジャンルの融合、内省的な歌詞の世界観は、その後の『Yield』以降の作品にもつながっています。

 

今聴いても新鮮で、パール・ジャムの奥深さを再発見できる1枚です。

 

ここからは『No Code』の制作背景からエピソードまで詳しくお伝えします。

 




 

『No Code』の制作背景

『No Code』制作の背景とタイミング

『No Code』のレコーディングは、1995年7月から1996年5月にかけて行われました。

 

前作『Vitalogy』のツアー(チケットマスターのボイコットを含む過酷なスケジュール)の直後で、バンドは疲弊しきっていました。

 

プロデューサーは前2作に続きブレンダン・オブライエンが担当し、パール・ジャム自身も共同プロデュースを務めました。

 

レコーディングは複数の場所で行われました。

 

1995年7月:シカゴのChicago Recording Company(CRC)。有名なシカゴの猛暑(heat wave)の中で1週間のセッションを実施。
ツアーの合間:ニューオーリンズのKingswayスタジオで1週間のセッション。ここで”Off He Goes”が録音されました。
1996年前半:ストーン・ゴッサードが所有するシアトルのStudio Lithoで本格的な作業。

 

これらの断続的なセッションは、ツアーとレコーディングを並行して行う過酷なスケジュールの中で進められました。

 

ジャック・アイアンズは『Vitalogy』完成時に加入したばかりで、このアルバムが彼にとって初のフル参加作品となりました。

 

バンド内の緊張と人間関係の秘話

『No Code』制作の最大の特徴は、バンド内の緊張関係です。

 

エディ・ヴェダーがクリエイティブ面で強い主導権を発揮するようになり、他のメンバー、特にジェフ・アメントとの間に溝が生じました。

 

ジェフ・アメントはセッション開始から3日経ってようやく「今レコーディングしている」と知らされ、ショックを受けました。彼は「このアルバムにはほとんど関わっていない」と語り、セッション中に一度はスタジオを飛び出して脱退も考えたほどです。

 

マイク・マクレディは「全員で一緒に演奏すると喧嘩になるので、別々に作業した」と回想。ストーン・ゴッサードも同様に、バンドが分断された状態で制作が進んだと述べています。

 

エディ・ヴェダーはほとんどの曲の歌詞を書き、仕上げ役を担いましたが、終盤には「燃え尽き」状態だったと言われています。ブレンダン・オブライエンは「エディはいつも曲を完成させる人だが、『No Code』では本当に大変だった」とコメントしています。

 

こうした緊張の中で、ジャック・アイアンズの存在が救いとなりました。

 

アイアンズは「精神的な影響が大きかった」とメンバーから評価され、問題をオープンに話し合うよう促しました。

 

オブライエンは「ジャックの周りではみんなが最高の音楽的行動を取っていた」と語っています。

 

エディ・ヴェダー自身も「『No Code』制作は視点を得ることだった」と振り返り、アルバム全体が「自己探求」と「成長」の物語であることを示唆しています。

 

音楽性の実験と具体的なエピソード

前作までのグランジ/オルタナティヴロック一辺倒から離れ、ガレージロック、東洋的なリズム、ワールドビート、フォーク、スポークンワードなど多様な要素を取り入れたのが『No Code』の特徴です。

 

“Who You Are”:ストーン・ゴッサードとジャック・アイアンズ作曲。ポリリズミックなドラムと東洋的なギターリフが特徴で、バンドの新しい方向性を象徴。アイアンズのトリビアルなドラミングが活かされた実験曲です。

 

“Off He Goes”:ニューオーリンズのセッションで録音されたバラード。エディ・ヴェダーが「自分はクソな友人だ」と自己嫌悪を込めて書いた歌詞が印象的です。ブレンダン・オブライエンのピアノも加わり、温かみのある仕上がりになりました。

 

“Smile”:ジェフ・アメント作曲。ザ・フロッグスのデニス・フレミオンが残した手紙の言葉を基にした歌詞で、ハーモニカが効果的に使われています。ビニール盤のみにクレジットされた隠れたエピソードです。

 

“Red Mosquito”:1995年のサンフランシスコ公演でエディ・ヴェダーが食中毒になり、ツアー日程をキャンセルした経験から着想を得た曲。ブルージーな雰囲気が特徴です。

 

“Lukin”:エディ・ヴェダーが当時悩まされていたストーカー問題を爆発させた短い激しい曲。

 

“Around the Bend”:ジャック・アイアンズの息子のために書かれた子守唄。アルバムを優しく締めくくるララバイです。

“Mankind”:ストーン・ゴッサードが作詞・リードボーカルを務めた珍しい曲。パンク寄りのエネルギーが感じられます。

 

セッションは即興的に進められ、ジャムセッションから曲が生まれることも多かった一方で、「少し急ぎすぎた」とマイク・マクレディが振り返るように、疲労の中で急ピッチで制作された面もあります。

 

ジャック・アイアンズのドラムは東洋的な”Who You Are”やトライバルな”In My Tree”で特に印象的で、バンドに新しいリズムの広がりをもたらしました。

 

アートワークとタイトルの裏話

アルバムのタイトル『No Code』は医療用語の「蘇生するな(Do Not Resuscitate)」に由来します。

 

エディ・ヴェダーは「コードがいっぱい詰まっている。誤情報だ」と説明し、アルバム自体が「失敗してもいい」との覚悟を込めたものだったと語っています。

 

パッケージングは156枚のポラロイド写真を折りたたみ式で使用した斬新なデザインです。

 

遠くから見ると『No Code』の三角形/目玉のロゴに見えるように配置されています。

 

写真にはデニス・ロッドマンの目玉や、エディ・ヴェダーがエイの毒に刺された足の写真なども含まれ、ファンには複数のCDを購入しないと全歌詞が揃わない仕掛けもありました。

 

制作を終えて

困難なセッションを経て、アルバム完成時にはムードが改善したと言われています。

 

ブレンダン・オブライエンは「本当に移行期のアルバムだったが、楽しく作れた」と総括。エディ・ヴェダーは「視点を得る」プロセスだったと振り返っています。

 

『No Code』は商業的には初週1位を記録したものの、過去作に比べてセールスは控えめで、パール・ジャムがメインストリームから距離を置くきっかけにもなりました。

 

それでも、このアルバムはバンドが「自分たちの音楽」を優先した重要な転換点として、今日でも高い評価を受けています。

 

パール・ジャムのファンなら、こうした制作秘話を知ると『No Code』をより深く楽しめるはずです。

 

特に”Who You Are”、”Hail, Hail”、”Off He Goes”を聴く際は、上記の背景を思い浮かべてみてください。

 

この制作エピソードが、あなたの音楽体験を豊かにするきっかけになれば幸いです。

 

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『No Code』が今も色褪せない理由と聴きどころ

パール・ジャム『No Code』は、バンドがメインストリームの成功から一歩距離を置き、自分たちの音楽を追求した重要なアルバムです。

 

ジャック・アイアンズの加入による新しいリズム感覚、制作中のメンバー間の緊張関係、そしてエディ・ヴェダーの内省的な歌詞世界が詰まった本作は、発売から30年近く経った今でも新鮮に感じられます。

 

エネルギッシュな”Hail, Hail”、瞑想的な”Who You Are”、切なく美しい”Off He Goes”をはじめ、「Sometimes」から”Around the Bend”まで、13曲すべてにそれぞれの個性と魅力があります。

 

本作の制作秘話を知ることで、アルバムをより深く味わうことができるのも大きなポイントです。

 

パール・ジャムの隠れた傑作『No Code』をまだ聴いたことがない方はもちろん、以前に聴いた方もぜひ通しで聴き直してみてください。

 

きっと新しい発見があるはずです。

 

 

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