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カテゴリー:Music

2017/11/23

ニューオーリンズファンクバンドのPapa Grows Funk(パパ・グロウズ・ファンク)を聴こう!

2000年代のニューオーリンズファンクを代表するバンド『Papa Grows Funk(パパ・グロウズ・ファンク)』

Papa Grows Funk(パパ・グロウズ・ファンク)との出会い

僕のPapa Grows Funk(以下:パパグロ)との出会いは、15年近く前に遡って2003年頃だったと記憶しています。

 

当時はブルース100周年(録音されてからってことです。)でちょうど僕も大学生の頃で一番音楽コレクションに熱を上げていた頃です。

 

当時は、バンド活動などではグランジ/ハードコアパンク系のやかましい音楽をやっていたんですが、既にジャズやブルースは10代の頃から普通に聴いていたのでその時点でもかなり詳しくはなっていました。

 

しかし案の定、周りはパンクブーム再来の時期でジャズやブルースを真剣に話せるような大学生なんて皆無で……。(いや、まぁそれが普通か……。)

 

ちなみにこの頃はブルース100周年ってのもあって一番ブルースにのめり込んでいた時期です。

 

そしてそれから2年後の2005年からブルースバンドをやり始めました。

 

そのブルースバンドでギターを弾いて実際に自分でもブルースを演奏していました。

 

なのでこの頃は、まだブルースは聴くだけで自分では演奏はしていませんでした。

 

しかしその頃からデルタ・ブルースもシカゴ・ブルースもルイジアナ・ブルースにメンフィス・ブルースやテキサス・ブルースにウェストコースト・ブルースにスワンプ・ブルース、そしてニューオーリンズ・ブルースなど、かなりコアに聴いていたので既にマニアの域でした。(最近はジャズ系ばっかでだいぶ忘れていってますが……。)

 

このブログでも過去にブルースの記事を書いているものは、2002~2006年辺りの一番ブルースにのめり込んでいた時期に得た知識がほとんどです。

 

最近あまりブルースの記事がないのは、忘れていっているからです……。(笑)

 

思いだしたらまた書いていきたいと思います。(笑)

 

ところで話を戻しますと、ちょうどたまたま2003年頃に日本のブルースバンドのウエスト・ロード・ブルース・バンドでギターを弾いていた山岸潤史さんを知りました。

 

当時は山岸さんがその後フュージョン系をやっていたり、ニューオーリンズに移住して現地の音楽に触れていることなど全く知りませんでした。

 

「ブルースギタリスト山岸潤史」ということだけ知っていました。

 

そんな時にたまたまタワレコで偶然にも激ファンクアルバムに出会いました!

 

タワレコのブルースコーナーの横はニューオーリンズ音楽のコーナーになっていることが多いんですが、そこでインパクトのあるジャケットに遭遇しました!

 

右手の握りこぶしがパンチしているみたいなあのジャケットです。

 

それがパパグロの1stアルバムでした。

 

すごく印象的なジャケットなんで試聴してみることにしました。

 

 

試聴してびっくり!ワウギターがかっこいいファンクアルバム!

 

1曲目の”Pass It!”の出だし……歪んだワウギターが

 

ワカチョコ♪ワカチョコ♪

 

これだけで一発ノックアウトです!

 

かっこよすぎます!

 

歌なしのインストの曲でギターとオルガンが絡み合い、ファンキーなベースとドラムが楽曲の骨子を固めます!

 

ところどころワウを使ったギターのカッティングが醸し出すファンクネスに魅了されました。

 

他にはコンプレッサーと軽くフェイザーも掛けているのかな?

 

ギターソロではオーヴァードライヴで歪ませて、かなりロックしています。

 

「なんてファンキーでかっこいいギタリストなんだ!まるでファンカデリックのエディ・ヘイゼルみたい!」……と思いました。

 

1曲目を聴き終えて気になることが……

 

「このギタリストは何て名前だろう?これはチェックしておかないと!」

 

試聴の間、手に持っていた1stアルバムのCDのジャケットを裏返してみました。

 

裏ジャケットにはメンバーらしき4名の人物の写真が掲載されています。

 

そこに写っているのは、一番手前に大柄な白人男性で、その向かって左側にこれまた大柄な黒人男性が2人。

 

そして向かって右側にタバコを吸うサングラスと帽子を被って顔がよくわからない東洋人が1人。

 

「多分、この東洋人が後期のマイルスバンドの日本人ピアニスト菊地雅章さんみたいな感じでオルガンを弾いているんだな?」

 

「で、手前の大柄な白人が実はドラマーなんだろう。ファンク系のバンドはドラムが目立つので前に出たがる人が多いしね。」

 

「で、そのすぐ後ろの黒人がベーシストで、一番左端の余裕そうな表情の黒人がファンキーなギタリストだろう!」

 

……というのが僕の最初の印象でした。

 

 

全く外れていた予想

 

この予想が全く外れていました。(笑)

 

試聴してすぐに気に入ったのでそのCDを買って帰りました。

 

封を開けて内ジャケを見てみると、メンバー紹介の欄があったので気になるギタリストの名前を見てみました。

 

そこにギタリストの名前が「JUNE YAMAGISHI」と書いてあります。

 

「ジュン・ヤマギシ??もしかしてあの東洋人は日本人で、しかもその日本人があのファンキーなギターを弾いているのか??」っと一瞬わけがわからなくなりました。(笑)

 

ローマ字表記だったので「ブルースギタリスト山岸潤史」とは頭の中ですぐには一致しませんでした。

 

ていうかそもそもブルースギタリストがこんなファンキーなギター演奏出来るなんて思いもよらなくって……。

 

当時は僕もまだ大学生で、一人で海外旅行に行ったりするようになる前の経験不足の人間でした。

 

まだ勝手な偏見がありました。

 

「日本人にファンクギターは弾けない!」っていう……。

 

もちろん今ではそんなことは全く思っていません!

 

楽器の演奏に人種や性別は全く関係ありません!

 

なんなら年齢ですら関係ないぐらいですよね。

 

しかし当時はまだ大学生の頃で世間知らずで変な偏見を持っていました……。

 

でも逆にこのアルバムを聴いたからこそ、そんな偏見はなくなりました。

 

山岸潤史さんを知って、同じ日本人でも黒人のようなファンクギターは弾けるんだな!って知って、それまでの意味のない偏見は消えました。

 

むしろ日本人でもファンクギターは努力次第で弾けるようになるんだなってことで希望が持てるようにもなりました。

 

そしてそんな出会いをしたパパグロに、まるでルイジアナ州の湿地帯の底なし沼のようにズブズブ……とハマっていきます。

 

 

 

パパグロのアルバムを聴こう!

それではそんなパパグロの絶対聴くべきアルバムを順にご紹介します。

2001年の1stアルバム『Doin’ It』

れがパパグロの鮮烈なるデビューアルバムです。ところどころ曲間にオルガンだけがちょこっとしたフレーズを弾いてたり、ギターだけのちょっとしたカッティングが入って次の曲が始まったり、ベースのスラップが挟まれて次の曲に行ったり、シンコペートするドラムの後に次の曲に流れていったり……とメンバー全員が主役だってことが感じ取れる好盤です。全体的に少し荒い感じもしますが、ジャムセッションから自然と曲が出来ていったような気取らない曲が多いように思います。洗練はされていないけれどもインパクトはデカいです!まず1曲目の名曲”Pass It!”のインパクトは大!他にもパパグロのリーダーであるオルガン奏者のジョン・グロスが歌うスローテンポでワウギターが粘っこい3曲目の”Junker Man”もパパグロを代表する名曲です。個人的に好きな曲は12曲目のウネるベースのイントロから、薄くコーラスエフェクターが効いたギターのカッティングがかっこいい”Fire In The Garage”と14曲目の、「メンバー皆でジャムってみました!」という雰囲気が心地よいタイトルトラックの”Doin’ It”です。こういった曲でのウネるような粘っこさにニューオーリンズファンクの独特な世界観が感じられます。かっこいい曲が一番多いのはこの1stアルバムだと思います。

 

 

2003年の2ndアルバムの『Shakin’』

のアルバムからサックスが前面に出てくるようになり、更に洗練されたファンクアルバムになっています。また山岸さんがワウペダルよりもフェイザーを多用するようにもなり、イナタさは少し衰退したけれどもより耳障りの良いフュージョン的な洗練されたサウンドに変化しています。その変化はオシャレなテーマメロディの1曲目からすぐにわかります。またジョンの歌う5曲目のバラード曲”House Of Love”なんかはまるでカーティス・メイフィールドが歌いそうなニュー・ソウル系の聴きやすいバラード曲です。素敵な曲ですが、1stの頃の様な荒々しくもかっこいいファンクサウンドを求める者としては、甘すぎる曲です……。このアルバムの一番の聴き処はサックスやギターソロがかっこいい4曲目の”Fish-Eyed Fool”と10曲目の”Slinky Snake”のファストトラックです。この2曲はライヴ映えもする曲調でかっこいい曲です。”Slinky Snake”はパパグロの全楽曲の中でも特にかっこいい曲なんで必聴です!かっこいいベースソロもあるのでベーシストさんにもお勧めの曲です。また12曲目の”Big Wind”もグルーヴィーな曲で、曲の最後にテンポが速くなるところはスリリングです。それと1stと同じようにタイトルトラックの11曲目”Shakin”はジャムセッションから曲になっていったようなリラックスした雰囲気を味わえます。1stのようなインパクトは薄れたけれども、より洗練されて聴きやすくなったアルバムです。ドライヴの際に聴いたりしたらいいんじゃないかな?と思うお勧めアルバムです。ただし洗練されたと言ってもウネるような独特のねちっこいファンクネスは失われてはいません!

 

2006年のライヴアルバムの『Live at the Leaf』

のアルバムは、初の公式ライヴ盤でパパグロの全アルバムの中でも1番の必聴盤となっております。1曲目は1st収録の名曲”Pass It!”で始まるのですが、これが13分以上もあるライヴ仕様の長尺バージョンになっています。ギターもアドリヴでソロを弾きまくります!ドラムから始まり、ベースが入ってきてギターがカッティングをして入ってくる様子はまるでキング・カーティスの『ライヴ・アット・フィルモア・ウェスト』での”Memphis Soul Stew”みたいにかっこいいです!そしてワウギターとサックスがユニゾンで曲のテーマを奏でます。最初のテーマを弾き終えるとジョンの”Pass It!”の声と共にバンドが静まりドラムブレイクに入ります。その後、オルガン→サックスと短いソロを吹いて山岸さんのオーヴァードライヴで歪んだギターソロが登場!早速弾きまくってます。(笑)そして一旦、ブレイクに戻って山岸さんがクリーントーンでギターカッティングをします。ちょっとの間サックス以外のメンバー全員でグルーヴした後、長めのオルガンソロが始まります。このオルガンソロのバックで演奏している高速3連も駆使したあまりにもファンキーすぎる山岸さんのカッティングを聴くと自然と腰が動いてしまいますよ♪オルガンのソロが終わり、最後のテーマに戻る時にいきなりワウペダルをONにした瞬間は何度聞いても興奮します!そしてサックスとオルガンとユニゾンでテーマを弾いていたギターが、そのまま燃え上がりアドリヴギターソロに変化します!これが熱過ぎる!!!!サックスとオルガンは最後までテーマメロディを奏でていきますが、ギターソロは止まらない!ワウの音色と共に暴走していきそのまま曲はフィニッシュ!冒頭のこの1曲だけでもこのアルバムを買う価値は十分にあります!その他にもワウギターがよりウネりを増して粘っこくなった”Junker Man”や8曲目9曲目のアルバム最後を飾る2ndアルバムからの2曲”Slinky Snake”と”Fish-Eyed Fool”の疾走感溢れる怒涛の勢いはファンク度満点です!世の中に数あるファンク系のライヴ盤でも上位に位置できる名盤です!ところでこのアルバムの内ジャケに山岸さんの使用ギターやアンプにエフェクターが文字で掲載されています。そこにHAOのRumbleというオーヴァードライヴペダルが記載されていて、当時僕もすぐに同じペダルを購入したのは良い思い出です。(笑)ちなみに今現在も僕はRumbleは所有していてたまにライヴで使用します。またエレハモのSmall Stoneを山岸さんは使用しているのですが、それは真似したわけではなくって僕もたまたま同じものを使っています。同じような音楽性が好きだと自ずと使用機材も似てきますね。

 

 

2007年の3rdアルバムの『Mr. Patterson’s Hat』

ルバムのタイトルは、いつもパパグロのライヴにスーツ姿で帽子を被ってやってくる老人パターソンさんの名前から。ステージからはパターソンさんの帽子だけが群衆に混じって見えるためアルバム名が「パターソンの帽子」となったとか!?前作でオシャレで洗練されたサウンドに変化したパパグロだったが、この作品では1stの頃のようなインパクトあるダイナミックなサウンドが復活しています。楽曲の質はパパグロのアルバム中随一の出来で、最高傑作はこのアルバムだと感じます。ただこのアルバムでやりつくした感があるため、その後の解散に至ったのでは?と想像もしてしまいます。1曲目からファンキーなオルガンとベースがグルーヴする中、サックスがギターとユニゾンでかっこいいテーマを奏でます。ギターソロもキレッキレです!2曲目は山岸さんがこのアルバムの発売前にギターマガジンのオマケ付きCD連動特集で自身で考えたスタイルのカッティングとして紹介していたフレーズがそのまま曲になっています。かっこいいテーマリフはクセになります。4曲目がこのアルバムからのリードトラックの”Walkin’ In Our Own Shoes”でジョンのボーカルも入っています。ワウギターが粘っこい6曲目の”Tootie Montana”や、まるでJBの”Get Up (I Feel Like Being A) Sex Machine”のようなギターリフが印象的な8曲目の”Mafungo”もファンキーです!3枚目にしてバンドのサウンドが最もよく反映された最高傑作が遂に作れた!という感じがします。必聴の名盤です。

 

 

 

2012年のラストアルバムの『Needle In The Groove』

のアルバムをリリースした後で残念ながらパパグロは解散してしまいます。3枚目のアルバムでパパグロとして出来ることをやりつくした感があったので5年振りのオリジナルアルバムがラストの作品となりました。収録曲の方も5曲目の”Red Spark”や7曲目の”Out of the Mud”に8曲目の”Rollo”以外はボーカル有りのポップな曲調であまり印象に残りません。またインスト曲にしても山岸さんの派手なギターソロもなくって、まるでイージーリスニングなアクの無くなった感じの曲ばかりでインパクトがありません。正直、一番聴かないアルバムです……。解散は残念ですが、ラストアルバムのこのアルバムを聴くと、その後の音楽性が心配になるので解散も仕方なかったのかな?と妥協して無理やり納得してしまいそうです……。購入の際は上記の4枚のアルバムを全て購入してから最後に買いましょう。

 

 

と……ここまでが、公式のオリジナルアルバムです。

 

その他にニューオーリンズのジャズ&ヘリテージフェスティバルのアルバムも2種類あります。

 

特に2007年のライヴ盤はビートルズの名曲”Come Together”をまるでミーターズがカヴァーしていたファンクバージョンのような感じで、更にパパグロ風に味付けしたワウギターがウネリまくるかっこいい演奏が聴けるのですが……Amazonで探してみたのですが売ってないですね……。

 

ご興味ある方は色々と探してみて下さい。

 

もしかしたらどっかで中古で売っているかもしれません!?

 

ちなみに僕は2007年のライヴ盤は発売した年にタワレコで購入しました。

 

 

↓こちらは2009年のジャズフェスのもの

 

 

追記

昨年の2016年に最後のライヴアルバム『Last Leaf』がリリースされています。

 

これまでライヴ盤では公式リリースされていなかったラストアルバムからの曲もやっているので、そういった曲のライヴバージョンもこのアルバムで聴けます。

 

これは必聴ですね♪

 

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