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2017/01/14

フォレスト・ウィテカー主演映画『大統領の執事の涙』(2013)の感想

アメリカの歴代大統領7人に仕えた黒人の執事の物語です。

(第34代大統領アイゼンハワーから第40代大統領のレーガンまで)
フォレスト・ウィテカー主演映画『大統領の執事の涙』(2013)の感想

 

父と息子、家族のドラマ

街頭でネルソン・マンデラの釈放を求めて
抗議の行進を行うよう市民に呼び掛ける
主人公セシルの息子ルイス……

 

その抗議演説の際にふと姿を現した父のセシル……

 

喧嘩別れしてから長年まともに言葉を交わすことのなかった父が目の前に……

 

息子(ルイス)
「父さん……急にどうしたんだい?」

 

父(セシル)
「いや、私も行進に参加したいと思ってだな……」

 

息子(ルイス)
「父さん……そんなことをしたら逮捕されて職を失うよ?」

 

父(セシル)
「もう……お前を失った……。」

 

涙を流し抱き合う2人……

 

米大統領(=白人)に仕える執事という職に就く
父に対して「白人の言いなり」だと幼い頃から
父の仕事に誇りを感じれなかったルイスは
父との間にわだかまりを残したまま家を出て
人種差別の厳しい南部の大学へと進む。

 

その後、大学での勉強よりも
黒人解放運動にばかり力を入れ
何度となく逮捕され、大統領の執事という職に就く
父を失望させ続ける。

 

国のために尽くす父と……
国のために戦う息子と……

 

相反する考え方を持った親子は当然対立をする。

 

しかしそんな息子を育て上げ
大学へと進学させたお金は
父が執事として仕えたことによって
生み出されたものなのよ!と母に言われる。

 

また、当初はマーティン・ルーサー・キング・ジュニアのように
非暴力的活動に賛同していたルイスだったが、
その後キング牧師の死後、ブラックパンサー党の暴力による過激な活動に
嫌気がさしたルイスは大学へと戻る……。

 

父は執事として仕えることで
それまでの粗野で乱暴者だという
勝手な白人たちの黒人に対する偏見から

 

マナーのある黒人として
黒人たちのイメージを変えることで
人種差別と戦っているのだと知り
ルイスの考えは変わっていく……。

 

しかし立派に大学を卒業して父に会いに行っても
まだ執事の職に就いていた父は息子を突き放す。

 

それから数年……

 

ついにセシルは大統領の執事を引退して
一息をつきリビングでテレビに目をやる。

 

過激な活動家となってしまったと嘆いていた息子が
政治家になり黒人差別と立派に戦っている姿をテレビで目にし

 

息子は犯罪者などではなく、立派に人種差別と戦っていたことを知る……。

 

この物語は

 

大統領に仕えるひとりの執事の物語であり
人種差別と戦う黒人たちのひとつの歴史の物語であり

 

ひとつの家族の物語であり
ひとつの夫婦の物語であり
ひとつの親子の物語である。

 


って書いたら、映画の宣伝っぽいですか?(笑)

 

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『大統領の執事の涙』とは?

原題はシンプルに力強く“The Butler(執事)”
邦題は『大統領の執事の涙』

 

しかし涙を流すのは観ている視聴者の方になります。

 

感動できる映画なのですが……

 

実話をベースとして制作されていますが、残念ながら感動できる上記の場面のルイスという息子は架空の人物のようです。

 

映画は映画として楽しみましょう。

 

ちなみに主人公を演じるのは、映画『バード』チャーリー・パーカーを熱演した演技派のフォレスト・ウィテカーです。
(最近娘さんがバンドで歌ってるみたいです。)

 

すごい好きな俳優の一人です。

 

“To those of u who feel alone during the holiday season.
Know that the whole of mankind is one family &
without u it can never be whole.”

 

……と、昨年末にツイートしていて彼の人柄が感じられました。

 

たとえホリデーシーズンに1人ぼっちだったとしても
人類は皆、ひとつの家族であり、君失くしてはその家族も成り立たないものであり
孤独に感じることはないんだと……。

 

フォレやん……良いこと言いますね。

妻役は米の名女性司会者

さて、その妻役を演じるのはアメリカの人気司会者オプラ・ウィンフリーです。
彼女の静かな夫を支える妻の役……とても良かったです。

 

その昔、まだおバカのジョージが大統領だった頃に
マイケル・ムーア(左派でガチガチの民主党支持者)が

 

アメリカ初の女性大統領及び黒人大統領は
司会者として国民に人気のあるオプラが一押し!みたいに言ってたんですが
この映画観てると面白く感じます。

 

オプラ自身も民主党支持者で、彼女の影響力はアメリカではかなり大きく
彼女がオバマを支持したことで多くの票を集めたという話もあります。

 

その後、初の黒人大統領にオバマがなり(ハーフだけどね。)
初の女性大統領は未だ実現せず……。

 

物語の結末

映画は2008年に妻を亡くし、失意に陥るセシルだったが
その後、初の黒人大統領が出現し、引退してから久しぶりに
ホワイトハウスへと招待される年老いたセシルの姿で終わります。

 

黒人たちが虫けらのように簡単に殺されていた幼い頃から
ついに黒人が大統領まで昇りつめた老後まで……です。

 

 

 


 

 

ジャズスタンダードの”I’ll Close My Eyes”

また映画の挿入曲にジャズ・スタンダードの“I’ll Close My Eyes”
使用されているのも印象的です。

 

ジャズ・トランぺッターのブルー・ミッチェルの名演で有名なこの曲……
(マイルスが認めたイギリス出身のジャズ・トランぺッターのディジー・リースのバージョンも良いですよ。)

 

元はイギリスの作曲家ビリー・リードが作ったインスト曲でしたが
アメリカのミュージカル映画で使われた時に歌詞がつけられました。

 

ジャズ・シンガーではサラ・ヴォーンダイナ・ワシントンなどが歌っています。

元は失恋の歌!?

当初は男性の失恋の歌でしたが
その後、「遠い場所にいる男性に忠誠を誓う女性の気持ち」が表現された歌詞になりました。

 

目を閉じて周りのことに惑わされずただひたすら恋人のことを想いつづける……

 

面白いと思いませんか?

 

イギリスの作曲家の作った曲が使われているのが。

 

まるで遠いイギリスからアメリカへと渡ったメイフラワー号の乗客のようで……
遠い存在である白人大統領に忠誠を誓い執事として働くセシルのようで……
仕事で毎晩帰りの遅くなる夫を浮気をせずにじっと待つ夫に忠誠を誓った妻のようで……

 

まるでいつの日にか人種差別がなくなり、黒人たちにも白人と同じ平等な権利が
与えられるであろうということを夢見て
目を閉じて周りの批判に惑わされずじっと耐えて
仕事を続けるセシルのようで……

 

それにホワイトハウスで話されている政治的内容については守秘義務があるため
全て目を閉じて聴かないふりをしなくてはいけません。
それこそ“I’ll Close My Eyes”です。

 

以上、お勧めの映画です。
まだ未視聴の方はぜひ観てください

 

 

 

 


 

『キング牧師記念日』

ちなみに1月15日は
マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの誕生日です。

 

この日に近い毎年1月の第3月曜日はアメリカでは
『キング牧師記念日』という祝日になっています

 

 

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