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2023/02/19

マット・デイモンが娘の無実を証明するために奔走する!?映画『スティルウォーター』を観た感想

現代のハリウッド映画のトップスターであるマット・デイモンが娘の無実を証明するために奔走する映画『スティルウォーター』を観た感想を書いたブログ記事のタイトル画像です。

マット・デイモン主演の映画『スティルウォーター』を観た感想を書きました。

現代ハリウッド映画のトップスターであるマット・デイモンが娘の無実を証明するために奔走する父親役を演じた映画『スティルウォーター』を観ました。

 

この映画は2021年7月に公開された映画です。

 

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これまでにないマット・デイモンが観られる映画

マット・デイモンと言えば、『ボーン・アイデンティティー』のシリーズで典型的なアメリカン・ヒーローの主人公ジェイソン・ボーンを長年演じてきました。

 

そのためか「スマート(切れ者)で何でも出来る」ヒーロー像が印象付いているかと思われます。

 

そんなマット・デイモンが本作では、これまでのヒーロー役とは正反対の典型的なアメリカン・ブルーカラーの父親役を演じています。

 

「ブルーカラー」とは「青い襟」をことです。

 

その意味するところは、肉体労働に従事する労働者のことを刺します。

 

彼らの作業服の襟が青系であったことがその語源だと言われています。

 

主人公ビル・ベイカーの人物像

 

本作『スティルウォーター』でマットが演じるのは、主人公ビル・ベイカーです。

 

ビルは、米国オクラホマ州の地「スティルウォーター」の油田で作業員として働くごく普通の一般人です。

 

若い頃は酒浸しで喧嘩もしょっちゅうといった荒れた生活をしており、それが原因で妻を自殺で亡くしています。

 

その贖罪からか今では酒を経ち、真面目に生きようと心がける冴えない中年のおじさんです。

 

そんなビルのその見た目は、長く伸びた髭面で常にベースボールキャップを被り、いつも同じようなジーンズに同系色のフランネルシャツばかりを着たアメリカの田舎町によくいそうな典型的な中年男性の出で立ちです。

 

そんなビルの一人娘アリソンはフランスに留学した先でレズビアンのガールフレンドを殺害した容疑で殺人罪に問われ収監されてしまいました。

 

このアリソンを演じるのは映画『リトル・ミス・サンシャイン』で末っ子のオリーヴを演じていたアビゲイル・ブレスリンです。

 

あの可愛らしかったアビゲイルが、今や悩みを抱えた20代の女性を演じているのですね。

 

時の流れは早いものです…。

 

フランスの監獄に5年もの長い期間、収監されている娘を救い出すためビルは単身フランスへと向かいます。

 

ここまで書きますと、マットが娘を救うためにフランスで派手に暴れそうな気がしますが…

 

本作のマットは銃を撃たなければ特殊な能力も持ち合わせていません。

 

あくまでも地味に動き回ります。

 

 

多くの「対比」が興味深い映画

映画の内容に関しましては、ぜひ本編を観ていただきたいのですが、ここでは僕がこの映画を観て感じたことを書きたいと思います。

 

まずこの映画には、多くの興味深い「対比」がありました。

 

それはビルの地元「米国オクラホマの田舎町」と、ストーリーが進んでいく「フランスの港町マルセイユ」がまずその一番の「対比」だと言えます。

 

物語中で登場するフランス人がビルのことを「裕福なアメリカ人」と言ったり、アリソンを「アメリカの裕福な家庭からやってきた留学生」と表現していますが、実際には貧しい生活をしている一般人に過ぎません。

 

これはフランス人だけでなく僕ら日本人の多くも「アメリカ人=リッチ」みたいな思い込みがありますが、実際にはどこも同じ日々の暮らしに追われる一般人なのです。

 

アメリカというとNYやL.A.のような大都会がすぐに思いつきますが、そのほとんどが田舎町です。

 

物語の終盤に映し出されるビルの出身地オクラホマ州は、荒れた地が広がり、ビルの家も含めどこも古く寂れた家ばかりです。

 

方やフランスのマルセイユは、歴史的建造物が町に溢れ、優雅で美しい町並みです。

 

犯罪率こそ高いようですが、しかし誰しもが「フランスの町並み」として思い浮かべるような綺麗な建物が建ち並んでいます。

 

このフランスを舞台に選んだ理由は、「アメリカ人の田舎暮らしの者が想像も付かないようなかけ離れた場所」といった「対比」から選ばれたのでしょう。

 

またビルとその後知り合う女性との「対比」も興味深い事でした。

 

ビルは娘を助けるため向かったフランスの地でシングルマザー(未婚の母)の女性ヴィルジニーとその娘マヤ知り合います。

 

最初の方はお互いすんなりとは仲良くはなれませんでしたが、ある時娘のマヤの面倒を見てくれたビルのことをヴィルジニーは助けるようになります。

 

主にフランス語が話せないビルの通訳をして助けることになります。

 

最初の方は見返りを求めない慈善的な思想からビルを助けていたのですが、次第に2人はお互い惹かれ合い同棲するようになります。

 

しかしこの2人は米国人とフランス人という国籍だけでなく、あらゆる点で異なった部分があります。

 

その「対比」が面白かったです。

 

ヴィルジニーは舞台女優をしており、その舞台の演出家の男性とも大人の関係で繋がっていました。

 

彼女は菜食主義者でリベラル(先進的)な考えの持ち主で、人種差別主義者を忌み嫌う女性です。

 

男性との関係もオープンで自由な考えを持っているようです。

 

方や肉体労働一筋で生きてきたビルは、彼女の演劇を観てもその良さを理解することが出来ず、アートには無関心のようです。

 

コンサバティブ(保守的)な考えの持ち主で、敬虔なクリスチャンです。

 

奥さんが亡くなってからは女性との関係もほとんどなかったように感じられます。

 

オープンなヴァージニーに対して、少し奥手なビル…

 

また物語の途中で人種差別的な考えを持った老人が登場するのですが、「あの人とはもうこれ以上話せない!」と激怒するヴィルジニーに対して、ビルは「そういった考えの人もいる。アメリカではたくさんいるよ。でも話を聞かないと何も進まない!」と意に介しません。

 

ただこれに関しては僕はヴァージニーの「考えが合わないからその人物をただシャットアウトする」行為こそどうなのだろう?と疑問に感じます。

 

本当に「先進的な考え」をするのであれば、「人種差別する人間」も1つの多様性として受け入れ、話を聞く必要はあるんじゃないかな?って。

 

「人種差別する人間」の考え方を変えさせることは出来ないのかもしれませんが、しかし逆に「考え方を変えさせる」こともある意味では「思想の押しつけ」になっちゃいますからね。

 

僕はビルのように「話を聞くべき」だと個人的には思います。

 

さて、それ以外にもビルとヴァージニーの「対比」はあります。

 

自堕落な生活のせいで妻を亡くしたビルに対して、ヴァージニーは遊び半分の相手との間に娘が出来ました。

 

結婚はしておらず、それどころか娘の父親が今どこに居るのかすら知りません。

 

しかし娘マヤとの親子関係はとても上手く行っています。

 

逆にビルは娘を助けようと奔走していますが、娘のアリソンからは「いつも台無しにするダメな父親」として嫌われています。

 

そもそもアリソンがフランスに留学したのも「嫌いな父となるべく離れた遠い異国の地に行くため」でした。

 

他にもヴィルジニーは、自国では銃を所持しているビルが、晩飯を食べる前に必ず神に祈りを捧げることでした。

 

銃を所持しているのに敬虔なクリスチャンである…ヴィルジニーにはとても滑稽に思えたことでしょう。

 

こういった「対比」が多くある映画だと感じました。

 

 

“Still Water”の意味

“Still Water”とは、実際にオクラホマ州に存在する田舎町のことです。

 

主人公のビルがその町の出身者だということもあって映画のタイトルに付けられています。

 

そして真犯人を見つける際にもこの”Still Water”という言葉が重要な手がかりとなります。

 

…と、ここまでは普通に映画を観ていればわかることではありますが、それだけではありません!

 

アメリカの映画には「キリスト教の聖書」の内容が物語に結びつけられていることが多くあります。

 

例えば、ジェニファー・ローレンス主演の『マザー』なんかがそうなのですが、本作『スティルウォーター』も実は「聖書」に関連しています。

 

それは旧約聖書の詩篇23編2節「主はわたしを緑の牧場に伏させ、いこいのみぎわに伴われる。(”He maketh me to lie down in green pastures: He leadeth me beside the still waters.”)」という箇所です。

 

“still waters”=「いこいのみぎわ」とは、「憩いの場」「休息を満喫する場」のことです。

 

娘を助けるために訪れたフランスでしたが、ヴァージルやマヤと知り合ったことはビルにとっての束の間の「休息」でした。

 

娘を助けようと奔走するも上手く行かないダメな父親である自分自身に悩む心を癒やしてくれる別世界フランスでの新しい生活は、まるでビルが「憩いの場」を求めて向かったようにも感じられます。

 

“still waters”…この言葉が登場するためか、物語の中盤で1日だけ釈放されたアリソンが海に行って泳ぐシーンがあります。

 

彼女は水面で仰向けになり、しばらく水の中でじっとしています。

 

その後、ビルが面会にやってきた際にこうも語っています。

 

「正義の問題じゃないの。平安を見つけることよ。」

 

真犯人が誰であれ、彼女は「心が安らぐ」ことを願っています。

 

それは5年もの獄中生活を強いられた自分自身と、亡くなったガールフレンドのリナに対して言ったことなのでしょう。

 

誰しもが「いこいのみぎわ」を求めているのです。

 

おそらく本作のタイトル『スティルウォーター』が意味するとこは、オクラホマの地名だけでなく旧約聖書のこの一節が関係していると考えられます。

 

余談ですが、”still water”を使った諺で”still waters run deep”という表現があります。

 

「静かに流れる川は深い」とは、物静かで口数の少ない人の例えで、そういう人ほど深い考えを持っているといったことです。

 

「能ある鷹は爪を隠す」に似た諺ですが、全く同じではないと思います。

 

本作のビルは特殊な能力を持っているわけではありませんが、物静かで深く考えて行動に移しています。

 

行き当たりばったりに感じられる場面もありますが、最終的には上手くいくようになっています。

 

またこの映画も139分と上映時間が長めではあります。

 

2時間以上の時間をゆ~っくりと物語が進行していきます。

 

一見、地味な展開ばかりですが観終わった後に深く考えさせられる内容です。

 

エンディングでスティルウォーターの景色を眺めながら「この町は変わらないね。」と言うアリソンに対して、ビルが「いや、全てが違って見える。」と語ります。

 

事件の真相を知ったビルには、もう昔と同じ家族の住む故郷ではなくなってしまったのでしょう。

 

そしてヴィルジニーとマヤと過ごした束の間の「憩いの場」での思い出は決して消えることはありません。

 

ビルにとってこの地スティルウォーターは、以前と同じではありません。

 

静かに進む長い映画でしたが、内容はしっかりしていたと思います。

 

以上、【マット・デイモンが娘の無実を証明するために奔走する!?映画『スティルウォーター』を観た感想】でした。

 

気になる方はぜひ映画を観てみて下さい。

 

 

 

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