2019/04/24
知られざる3人目のサマーズ⁉『X-MEN : デッドリージェネシス』を読もう!
サマーズ家にもうひとりのミュータントが存在した⁉『X-MEN : デッドリージェネシス』をご紹介します。
1975年の『ジャイアント・サイズ X-MEN』シリーズから続く因縁の物語
今回ご紹介するX-MENのコミックは、本国アメリカでは2006年に連載が始まり、2011年になりようやく日本語コミック化した『X-MEN : デッドリージェネシス』をご紹介します。
このシリーズは、以前このブログでもご紹介していた2005年の問題作『X-MEN / アベンジャーズハウス・オブ・M』後に世界からミュータントが激減した物語の続きともなっています。
しかも約31年前の1975年に発売されていた『ジャイアント・サイズ X-MEN』シリーズから続く因縁の物語でもあります。
本シリーズには、最初のページ絵にもあるように「3人目のサマーズ」が登場します。
異次元からやってきたサイクロップスの娘レイチェル・サマーズの首を掴むこの男とは一体⁉
ちなみにサマーズ家とは、X-MENのリーダーであるスコット・サマーズとその弟のハボックことアレックス・サマーズの2人が現在X-MENに在籍しています。
その他にも、異次元からやってきたレイチェル・サマーズや、サイクロップスの息子が未来で成長したケーブルことネイサン・サマーズもいます。
しかし彼らは別の時間軸からやってきているのでこの2人の兄弟とは別物と考えても良いかと思います。
今回は、その兄弟以外にも同じ時間軸に存在していたはずの「3人目のサマーズ」が登場します。
宇宙の彼方で目覚める強力なミュータント!
本作の始まりは、当時のX-MENの本拠地であったエグゼビア学院から始まります。
『X-デイ』後も能力を失うことのなかった「ミュータントの生き残り」達は、対ミュータント対策ロボットのセンチネルに監視される中エグゼビア学院に身を潜めています。
その様子をベランダから眺めるサイクロップス。
古くからの仲間であるハンク・マッコイことビーストが、それまで百万を超えるといわれていたミュータントの数が激減してしまったことについての疑問を呈します。
失われてしまった数多くの「ミュータント・パワー」は、どこえ消えてしまったのか?
解決することのない2人の会話をよそに、遠く離れた宇宙の彼方では地球の外部を廻るひとつの隕石から「大きな力」が放出されます!
近くにいた宇宙船がその力で破壊され、乗っていた宇宙飛行士も犠牲になってしまいました。
その隕石の中から仮死状態にあった「巨大なミュータント・パワー」を持つ男が『X-デイ』の影響で、永い眠りから目覚めました!
宇宙の彼方から地球へと降り立つこの男は一体何者なのか?
巨大なミュータント・パワーを追ってニューヨークの北部へ
一方その頃、セレブラ(テレパスの能力を増幅させて世界中のミュータント・パワーを感知する装置)を使ってエマが新たなミュータントが誕生していないか探っていました。
その時、大きな衝撃が走りエマは気を失ってしまいます。
近くにいたキティがエマを医療室へと運びます。
どうやらニューヨークの北部で「巨大なミュータント・パワー」を発見したようです。
サイクロップスとウルヴァリンとレイチェルの3人がブラックバードに乗って現地へと向かうことにしました。
突如見え出した幻覚
しかしこの事件がきっかけで、ミュータント達の間で幻覚が見えるようになっています。
洗面台で顔を洗っていたキティをコロッサスが呼びに来るのですが……鏡に映ったコロッサスがゾンビのような姿に!
一瞬驚いたキティでしたが、これは幻覚でした。
また別の場所では、森を散歩中のナイトクローラーが、過去に人間達に追い回されたトラウマを思い出します。
もちろんそれも幻覚でしたが、何やら不吉な出来事が起こり始めたようです。
洞窟の中にいた男
ブラックバードに乗った3人は、ニューヨーク州の北部アディロンダック山地のプラシッド湖に到着した頃、宇宙から墜落してきたスペースシャトルの残骸を発見します。
テレパシー能力を持つレイチェルが近くにオメガプラス級のパワーを持つミュータントが潜んでいることを感知します。
3人は、ブラックバードを降りて徒歩で探しに行くことにしました。
その頃、ミューア島で行方不明になっているプロフェッサーXの居場所を調べるために亡くなったモイラ・マクタガートの元彼だったバンシーがビーストの指示でPCからファイルを探していました。
外は土砂降りの大雨の中、窓の外にモイラの影を見つけます。
バンシーは慌てて外へ飛び出し、モイラの幻覚を追っていきます。
一方、ブラックバードから降りてある洞窟の中からオメガプラス級のパワーを持つミュータントの存在を感知したレイチェルら3人は、その洞窟へと入っていきます。
奥へ進む頃に、亡くなったはずのサイクロップスの元妻ジーン・グレイの幻覚が現れました!
あれから何度も何度も幻覚と闘ってきたサイクロップスとウルヴァリンは、敵の罠だと用心するのですが……レイチェルはまんまと罠に掛かって幻覚を追ってしまいます。
後を追うサイクロップスとウルヴァリン……そこに現れたのは「巨大なミュータント・パワー」を持つ男が気絶したレイチェルの首を掴んでいる姿でした!
強力なミュータントでもあるレイチェルが一撃で倒された?
サイクロップスとウルヴァリンは、レイチェルを助けるためにその男に向かっていきます!
しかしこれまでどんな強敵であっても倒してきたX-MEN最強のこのコンビですら、赤子の手をひねるかの如くその男に一撃で倒されてしまいます……。
その頃、ミューア島では、モイラの幻覚を追うバンシーが離れの小屋に入っていきます。
そこに到着するとモイラの幻覚は消えてしまいました。
おそらく亡くなったモイラの意思がバンシーをここに呼び寄せたのでしょう。
そこにはモイラ以外誰も知ることのなかった極秘ファイルが残されていました。
そのファイルをPCで開いてみると、生前のモイラのビデオレターが始まります。
衝撃のその内容とは……?
幻に終わったX-チーム
以上が、日本版『X-MEN : デッドリージェネシス』に掲載された1話分のお話でした。
続きはぜひコミックで読んでみて下さい。
少しヒントを載せますと……
1975年に発売されていた『ジャイアント・サイズ X-MEN』シリーズで、謎のミュータント、クラコアに囚われたオリジナルX-MENの5人のうちサイクロップスだけが脱出し逃れることが出来ました。
その後、世界中からストームやウルヴァリンにコロッサスやナイトクローラーなどの新しいミュータントの仲間を集めてサイクロップスが、クラコアに捕らえられた4人のメンバーを救出します。
これが『ジャイアント・サイズ X-MEN』だったのですが、本誌はこの物語に「後付け」ではありますが、ストームやウルヴァリン達よりも先に「幻に終わったX-チーム」がオリジナルX-MENの救出作戦に向かっていたことが判明します。
しかしこのチームはまだ未熟だったために作戦は失敗し、全滅したものだと思われていました。
今回登場した「巨大なミュータント・パワー」を持つ男が左に写るヴァルカンというミュータントです。
このヴァルカンのミュータント能力は、「あらゆるエネルギーを吸収して放出できる」ことです。
ビーストも疑問に考えていた『M-デイ』で失われた数多くのミュータント・パワーが宇宙のどこへ消えてしまったのか?
オリジナルX-MENの救出作戦に失敗して、宇宙の彼方で仮死状態にあったヴァルカンが、なぜこの時期に復活したのか?
答えはヴァルカンのミュータント能力にあります。
またヴァルカンの名前はガブリエル・サマーズと言います。
サマーズ?
サイクロップスことスコット・サマーズは、異次元からのエネルギーを目から放出するオプティック・ブラストという能力を持っています。
ハボックことアレックス・サマーズは、コスミック・エネルギーを吸収し強力な熱と破壊エネルギーをプラズマ・ブラストとして全身から放つ能力を持っています。
ヴァルカンことガブリエル・サマーズの能力も「あらゆるエネルギーを吸収して放出できる」と、この2人とどこか似ていますよね?
さて、謎はこれだけではなくバンシーがミューア島で見つけたモイラの極秘ファイルにもあります。
そのファイル内では、モイラがプロフェッサーXのある秘密を話すことになります。
彼女は、「プロフェッサーXがどれだけ卑劣な人物なのか!」という内容のビデオレターを生前に吹き込んでいました。
『ジャイアント・サイズ X-MEN』でオリジナルX-MENの救出作戦に向かった「幻に終わったX-チーム」の存在を、X-MENのリーダーであるサイクロップスは記憶に残っていませんでした。
プロフェッサーXの能力は、世界最強のテレパスで精神攻撃や記憶操作はお手の物です。
サイクロップスの記憶に残っていないということは……⁉
続きはぜひコミックで読んでみて下さい。
これ以降、なぜサイクロップスとプロフェッサーXの仲が悪くなったのか?原因は『X-MEN : デッドリージェネシス』に掲載されています。
以上、【知られざる3人目のサマーズ⁉『X-MEN : デッドリージェネシス』を読もう!】でした。
後付けの物語ながら、過去の話と現代の物語とを上手く絡めた内容です。
この事件から、後々まで引きずる程にサイクロップスとプロフェッサーXの仲が縺れることになります。
しかしプロフェッサーXが、ここまで卑劣なことをやっていたとは……なかなか衝撃的です!
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