2019/09/13
新世代のX-MEN『ジェネレーションX』の記念すべき第1話が掲載された『マーヴルクロス』第6号を読もう!
1996年に小学館から発行されていたアメコミ漫画雑誌『マーヴルクロス』をご紹介します。
新世代のX-MEN『ジェネレーションX』の記念すべき第1話が掲載された『マーヴルクロス』第6号をご紹介します。
今回も1996年から始まった『マーヴルクロス』のシリーズから第6号をご紹介します。
本誌には、第2号~第5号に掲載されていた『ジェネレーション・ネクスト』の後に結成された新世代のX-MEN『ジェネレーションX』の記念すべき第1話が掲載されています。
『ジェネレーションX』は、これまでのステレオタイプなヒーローチームではなく、それぞれが個性的で人種も様々なチームです。
これまでの「ビーム光線」「怪力」「テレパシー」等のようにわかりやすい能力者の集まりではなく、一風変わったミュータント能力を持つキャラが多いのも特徴的です。
また90年代に入ってから登場した若手ミュータントのジュビリーのキャラを活かすために作られたようなミュータント・チームの様な感じも受けます。
初期メンバーは下記の5名です。
●ジュビリー
●ハスク
●M
●シンク
●スキン
ジュビリーは、1990年代初期のX-MEN最年少メンバーでもあった中国系アメリカ人の少女です。
ジュビリー(Jubilee=祝祭)はコードネームで、本名はジュビレーション・リーといいます。
手からプラズマ・ボルトを飛ばすことが出来る能力を持っています。
本人が自分の能力の真の力を恐れているためか普段は小さい花火を飛ばす程度なのですが、『ジェネレーション・ネクスト』時にシンクが彼女の能力をコピーした際にホワイトクィーンに制御を外されて大爆発を起こしたこともあります。
物凄い破壊力を秘めていたりするのですが、自分に自信がなく「役立たず」だと悩んでいることも多いです。
アジア系のキャラながら、ステレオタイプな先生の言うことを聞く所謂「ティーチャーズ・ペット」的ではなく、どちらかっていうと言うことを聞かない問題児的なキャラです。
ちなみに本人はウルヴァリンの相棒を気取っています。
ハスクは、X-フォースのリーダーも務めるキャノンボールの妹にあたります。
ハスク(Husk=外皮を剥く)はコードネームで、本名はペイジ・ガスリーと言います。
体の皮を剥ぐことで自分の肉体を鉄やダイヤモンドのような異なる物質に変える能力を持っています。
ブロンドの白人女性ながら、ステレオタイプな自信家や自惚れやではなく田舎者で世間知らずなキャラ設定です。
Mは、本名をモネ・サンクロワといい大富豪の娘に当たります。
褐色の肌を持つラテン系の女性ですが、ステレオタイプな明るく能天気なキャラではなくお高くとまった大変な自信家です。
しかしそれも頷けるような強力な能力を持ったミュータントでもあります。
飛行能力に怪力だけでなくテレパシーまで使いこなす万能ぶりです!
ジェネレーションXのチーム内では最強のキャラです。
シンクは、しっかり者の黒人青年です。
本名はエベレット・トーマスで、コードネームのシンクとは、シンクロナイズ(synchronize=同期する)から付けられています。
その言葉の通りに周囲にいる他のミュータントの能力に同調してコピーすることが出来ます。
この能力を使っている時は、シンクの周りに虹が出現します。
それまでのステレオタイプな面白黒人枠の能天気でお気楽なムードメーカーではなく、チームリーダータイプのしっかり者です。
応用力のある能力と共に周囲から頼られることも多いです。
スキンは、そのコードネーム通りに(skin=皮膚)皮膚を伸縮自在に6フィートも伸ばすことが出来ます。
本名はアンジェロ・エスピノーサというヒスパニック系の好青年です。
元ストリート・ギャングなのに仲間思いのナイスガイなキャラです。
といった具合に、従来のビーム光線出しそうな白人マッチョ・イケメンがリーダーでテレパシー使いそうなセクシーブロンド美女がヒロインで……といったチームメンバーではありません。
とても個性的なメンバーで構成されています。
個性的なのは良いのですが、ちょくちょく女性3名のメンバーの言い争いが気になることもあります……。(笑)
またこの5人の教師を務めるのがバンシーにホワイトクィーンという曲者2人というのも面白いところです。
そもそも仲の良くないこの2人もよく言い争いしています。
生徒たちに「あの2人、本当に大丈夫なの?」といつも心配されています。(笑)
さて、今回はそんな個性的なジェネレーションXの第1話が掲載された『マーヴルクロス』第6号をご紹介したいと思います。
『マーヴルクロスNo.6』
シンク以外の4人のメンバーと、この後出てくる謎の少女ペナンス(赤い顔)が表紙を飾る第6号です。
4人のキャラは、上からM、ハスク、ジュビリー、スキンの順番です。
やはりお嬢様が一番上なんですね。(笑)
『ジェネレーションX』第1話
1994年11月に発表された『ジェネレーションX』の第1話の表紙には、既に新キャラのチェンバーが載っています。
口元から火が出ているのがチェンバーです。
チェンバー(Chamber=燃焼室)は、その名の通り胸部に生体原子炉を持ち、そこから強力なエネルギーを放出させることが出来ます。
しかし初めてその能力を発揮した際に、爆発であご下を失ってしまいます。
口がないため会話は全てテレパシーで行います。
この第1話は、イギリス人のチェンバーこと本名ジョナサン・スターズモアを空港に迎えに行くことが目的です。
……と、その前にまずはジェネレーションXの5人のメンバーの能力を披露するように、学園内での朝のトレーニングから始まります。
朝から激しいジョギングを続けるハスクは、疲労回復のために自らの皮膚を剥がします。
それを見たジュビリーは気味悪がっています。(笑)
そんな2人の下に、上空から見下すようにお高くとまったMが現れます。
さっそくジュビリーと嫌味対決が始まります!(笑)
一方別の場所では、実戦で対決するスキンとシンクがいました。
スキンの能力をシンクロして、シンクまで皮膚が伸びてしまい、2人はこんがらがって身動き取れなくなってしまいます。
こちらでも男2人のいがみ合いがさっそく始まりました。(笑)
個性的なのは良いことなのですが、アクが強いものばかりなのはどうしたものかと……。
そんな生徒たちを教えるはずのバンシーとホワイトクィーンもさっそく言い争いが始まります!
ジェネレーションXの初日は、これまでになかったようなチームワーク・ゼロの状態から始まります!(笑)
午後になり、バンシーが車でチェンバーを迎えに行くとこになります。
その際にジュビリーとシンクにも声を掛け、3人で空港に向かうことにしました。
しかしチェンバーの到着を待っていたのは、ジェネレーションXだけではありませんでした。
エンプレイトというミュータントのエネルギーを捕食するモンスターがチェンバーを狙っていました。
次元の狭間を歩くことの出来るエンプレイトの存在には、空港の誰もが気づくことがありません。
それはジェネレーションXの3人も同じでした。
誰にも気づかれずにチェンバーに近づき奇襲攻撃を仕掛けるエンプレイト!
次元の狭間から出現したエンプレイトを見て、空港の一般人の悲鳴が聞こえました!
その悲鳴をもとに駆け付けたバンシーがエンプレイト目掛けて超音波攻撃を仕掛けます!
しかしバンシーの攻撃を吸収したエンプレイトは、先の攻撃で吸収したチェンバーの能力と合わせた強力なエネルギーを放出します。
この攻撃をまともに受けてはさすがのバンシーも無傷ではいられません。
危険を察知したシンクが盾となり、逆にエンプレイトの攻撃をシンクロ能力で吸収します。
なんとか吸収したシンクでしたが、反撃するのには時間が必要です。
その間にジュビリーが攻撃を仕掛けようとしますが、バンシーが止めます。
ジュビリーのプラズマ・ブラストもエンプレイトの前では吸収されるだけです。
その時!
エンプレイトに押さえつけられていたチェンバーが本来の能力を発揮します!
生体原子炉となった胸部から強力なエネルギーを放出してエンプレイトを攻撃します。
しかしこの攻撃も通用していないエンプレイトは、目の前の4人に止めを刺そうとします。
危機一髪のところで、テレポート能力を持つ謎のミュータント、ゲイトウェイの力を借りてホワイトクィーン達が助けに来ました!
まずはMが攻撃を仕掛けようとしますが、Mの傲慢な態度に嫌気を刺したハスクが先に攻撃を仕掛けに行きます!
しかし未熟なハスクは、エンプレイトの鋭い爪で腹部を裂かれてしまいました!
バンシーは、過去にX-MENの新チームのメンバーだったサンダーバードが最初の任務で戦死したことを思い出しました。
今回も最悪の事態が起こってしまった……と落胆しそうになった時、ジュビリーが朝のトレーニングを思い出して機転を利かせます。
ハスクの能力を使って彼女の皮を剥いだのです。
「お昼吐いちゃいそ…」と言いながらも皮を剥ぐジュビリー。
すると重傷を負ったはずのハスクの中から、新たに軽傷のハスクが出現しました。
ジュビリー「ほら田舎っぺ新しい身体よ。言っとくけど二度とこんな事してやんないからね!」
ハスク「ありがとうって言ってるでしょ…」
その後、8人のジェネレーションXを狭い空港で相手にするにはさすがに不利と見たエンプレイトは、一旦その場を退却することに決めます。
何とか事なきを得たジェネレーションXのメンバーでしたが、スキンはあれだけの騒動があったのに空港内の人間が誰も騒いでいないのに気づきます。
実はこれは騒ぎを大きくさせないためにホワイトクィーンが、周囲の人間をテレパシー能力で操っていたからでした。
周りの一般人は、彼らジェネレーションXの姿を見ることが出来ず、直近の記憶も消され何事もなかったかのように普通にしています。
その際に一般人のことをホワイトクィーンが「愚民」呼ばわりするのですが……バンシーは彼女の口の悪さに頭を抱えています。(笑)
こうしてチェンバーは無事にジェネレーションXの新たなメンバーになることが出来ました。
以上、【新世代のX-MEN『ジェネレーションX』の記念すべき第1話が掲載された『マーヴルクロス』第6号を読もう!】でした。
この後、学園に戻ったジェネレーションX達は、謎の少女ペナンスが出現したことに気づきます。
ペナンス(Penance )とは、「罪を悔い改める苦行」の意味です。
果たしてペナンスは、敵なのか味方なのか?
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