2019/09/11
新世代のX-MENのチーム『ジェネレーションX』が結成するまでの前日譚『ジェネレーション・ネクスト』を読もう!
1996年に小学館から発行されていたアメコミ漫画雑誌『マーヴルクロス』をご紹介します。
今回は『ジェネレーション・ネクスト』が掲載されたマーヴルクロスNo.2~No.5の4冊をご紹介!
以前ご紹介していた『マーヴルクロス』のシリーズから、今回は第2号~第5号までをご紹介したいと思います。
この4冊には、後にジュビリーが所属することになる新世代のX-チーム『ジェネレーションX』が結成されるまでの前日譚『ジェネレーション・ネクスト』が掲載されています。
バンシーとホワイトクィーンことエマ・フロストがなぜこのチームの教師を務めることになったのか?その辺りの事情も『ジェネレーション・ネクスト』を読むことで解明します。
ちなみに『ジェネレーションX』という言葉自体は、アメリカの1960年代初頭~1970年代に生まれた新世代の人たちのことを表す言葉です。
語源は、同年代に生まれたカナダの小説家ダグラス・クープランドの作品『ジェネレーションX〜加速された文化のための物語たち(Generation X: Tales for an Accelerated Culture)』から付けられたようです。
当時のアメリカのヒッピー・ムーヴメントの衰退とベトナム戦争の終結による「しらけムード」を10代の頃に経験したためか、個人主義で冷めた性格が特徴的です。
日本でいうところの1980年代の「しらけ世代」のようなものです。
最近では「ゆとり世代」や「悟り世代」などと若者を揶揄していますが、そもそも今の若者をそのように言っている人達もかつては上の世代の人から「しらけ世代」と揶揄されていたので……「歴史は繰り返す」ですね。
さて、そんなチーム名通りにX-MENにおける『ジェネレーションX』のメンバーも全体的に冷めた性格で少し生意気なキャラが参加しているチームです。
その後出てくる更に若い世代の『ニューX-MEN』のような可愛げはなく、コミュニケーション能力に問題ありな人物ばかりです。(笑)
『ニューX-MEN』が「ゆとり世代」なら『ジェネレーションX』はやはり「しらけ世代」でしょうか⁉
X-MENのチームも世代によって、その時代背景が反映されていたりするんですね。
そんな『ジェネレーションX』を率いるのが、X-MENのベテランメンバーのバンシーと元ヴィランのホワイトクィーンです。
そもそもこの2人が仲良くないため、生徒からも「あの2人大丈夫なの?」と心配されていたりもするのですが……やはり『ジェネレーションX』は長続きせず1994年の第一回から2001年に終了するまでの7年間しか連載されていません。
しかしその後、サイクロップスの恋人として重要キャラとなるエマ・フロストのX-MEN入りや、『ニューミュータンツ』以来となる若く未熟なチーム、アクの強いメンバー達、当時としては最先端でオシャレな画風……など魅力的な部分も多かったと思います。
というわけで今回は、その『ジェネレーションX』が結成するまでの前日譚を描いた『ジェネレーション・ネクスト』が掲載されたマーヴルクロスNo.2~No.5の4冊をご紹介したいと思います。
それでは順番に見ていきましょう。
『マーヴルクロスNo.2』
『マーヴルクロス』第2号の表紙を飾るのは、シルバー・サーファーです。
X-MENのアイスマンではないですよ。
第2号には、1号からの続きで『インフィニティ・ガントレット』の第2話と『シルバーサーファー』の後編も掲載されています。
その中間に『ジェネレーション・ネクスト』の第1話が掲載されています。
その前に2ページに渡り今回の『ジェネレーション・ネクスト』の最大の敵となる機械生命体のファランクスの説明や、ホワイトクィーンがX-MENに保護されることとなったきっかけやセイバートゥースが捕まえられた状況説明などが載っています。
元ミュータント秘密結社ヘルファイアークラブの一員だったホワイトクィーンは、私立学園マサチュー・セッツ・アカデミーの理事長を務める教育者でもありました。
もともと教育者を目指していた彼女は、若いミュータント・チームのヘリオンズを教え育てていました。
しかし政敵であったアップスターツの攻撃によりヘリオンズは全滅し、彼女は昏睡状態に陥ってしまいます。
そういった経緯からX-MENの下で保護されるに至りました。
またウルヴァリンの宿敵でもあるセイバートゥースの方は、相棒のバーディーを失い自暴自棄となってしまいます。
テレパスだったバーディーのお陰で商機を保てていたセイバートゥースは、宿敵だったX-MENに助けを求めなければいけないほどに危ない状況に陥っていました。
敵とは言えプロフェッサーXは、同じミュータント種族の者を見捨てるわけにはいかず、彼の狂暴な牙や爪を覆う防具を常に付けるという条件で治療こ試みることにします。
『ジェネレーション・ネクスト』パート1
物語は、ニューヨーク州ウエストチェスター群セイラムセンターにあるエグゼビア教授(プロフェッサーXの本名チャールズ・エグゼビアより)の『恵まれしこらの学園』に週末旅行からバンシーが帰ってきたところから始まります。
現在、精神治療中で機械式の治療用ベッドに固定されたエマ・フロストを監視も含めて見舞いにいくバンシーでしたが、彼女は奇妙なことを言い始めます。
「キャシディ、あいつら私を殺すつもりよ!」(※バンシーの本名はショーン・キャシディ)
「ストームもアイスマンもそれにアークエンジェルも、みんな私が怖いのよ!私なら奴らの心を読むことが出きる。奴らの企みを暴いてぶち殺してやるから」(※治療中は彼女の強力なテレパシーが使えないように拘束されている。)
バンシーは、エマがヘリオンズを失い精神的に不安定な状態にあるため、このようなことを言っているのだと考えます。
更にバンシーは、エマを治療しているストームやアイスマンに何か手伝えることはないか?と確認すると、手伝いは必要ないのでシャワーでも浴びてぐっすり寝なさいとストームに気を使われてしまいます。
長いことチームを離れていたため自分はもう必要とされていないんだな……と少し寂しい気分になるバンシーでしたが、緊急の呼び出しがかかっていることに気が付きます。
誰もこのことに気づかないのを多少不審に思いつつも呼び出しを出てみると、新婚旅行中のサイクロップスとジーンからの連絡でした。
サイクロップスがレガシーウィルスの治療法についてプロフェッサーXに伝えたいことがあるので代わって欲しいと連絡してきたのですが、今この場には留守であることを伝え通信を切ります。
するとどこからともなくアークエンジェルがやってきて、外部に情報が洩れるといけないのでチームメンバー以外は勝手に通信に出ないように注意を受けます。
もはや自分は完全に蚊帳の外だと感じたバンシーはその場を離れて、デンジャールームにトレーニングをしに向かいます。
しかしデンジャールームは現在ジュビリーによって使用中であるためアクセス不可で入室することが出来ませんでした。
すると立ち入り禁止のはずのプロフェッサーXの作戦室からサイロックが出てくるのを目撃します。
通路の間にみを隠しバンシーでいたが、強力なテレパシー能力を持つ女忍者のサイロックから簡単に身を隠せてしまったことを疑問に感じてしまいます。
恐る恐る作戦室を覗いてみると……
そこには機械の修理をするガンビットとビショップがいました。
これでバンシーの疑問は確信へと変わります。
この時期のビショップは、未来世界でX-MENを滅ぼした裏切り者はガンビットだったと信じてやまない頃でした。
そのビショップがガンビットと仲良く作業をするとは到底考えられません。
逆に怪しまれないようにその場をなんとか離れたバンシーは、チームリーダーであるストームにこのことを知らせようとします。
この基地を管理するコンピュータでストームを呼び出しますが……
コンピュータの反応は、「コードネーム:ストーム 敷地内不在」と表示されます。
10分前に会ったばかりのストームが不在?
更にアークエンジェルやビショップとガンビットを呼び出してみても全員不在を表示されます。
現在この基地にいる人間を全て表示させるように命令すると……「バンシー、ホワイトクィーン、ジュビリー、セイバートゥース」の4人だけしかいないことが判明します。
このシーンは、まるでホラー映画を観ている様でドキドキしました。
そうです、この場にいるX-MEN達は全て機械生命体のファランクスが化けたものでした。
X-MENの主要メンバーが任務のため外出中の隙を狙って入り込んだようです。
ジュビリーは、現在デンジャールームでトレーニングをしているのではなく、ファランクスの手によって閉じ込められていたのです。
このことに気づいたバンシーは、衰えた自分の力だけではジュビリーを助け出すことが出来ないと判断し、かつての敵であったセイバートゥースの力を借りることにします!
そのセイバートゥースも、ファランクスが化けたローグによって牢屋に閉じ込められていました!
なんとか偽ローグを倒したバンシーは、催眠ガスを掛けられていたセイバートゥースを起こしホワイトクィーンとジュビリーを助け出すことを依頼します。
さすがにセイバートゥースの強力な力を持ってすればホワイトクィーンとジュビリーの救出に時間は掛かりません。
その間にバンシーはコンピュータでファランクスの狙いを探り当てます!
なんと、それは後に『ジェネレーションX』のメンバーとなる若い世代のミュータント達でした!
ファランクスの退治と共に、バンシーは若い世代のミュータントを救うことを決意します。
その仲間は、未熟なジュビリーと元ヴィランのホワイトクィーンとセイバートゥースの3人です。
果たしてこのメンバーで無事に新世代のミュータント達を救い出すことが出来るのか?
『マーヴルクロスNo.3』
キャプテン・アメリカが表紙を飾る第3号には、なんと1941年に『キャプテン・アメリカ・コミックス』にてキャプテン・アメリカの誕生秘話が描かれた貴重なリメイク作品が掲載されています。
また1996年当時のマーヴル・アクション・フィギュアの特集も巻頭に組まれています。
そして『インフィニティ・ガントレット』の第三話も掲載されています。
今回もその中間にジェネレーション・ネクスト』が掲載されています。
『ジェネレーション・ネクスト』パート2
ファランクスの目的が新世代のミュータントの抹殺であることを突き止めたバンシーは、ジュビリーとホワイトクィーン、それにセイバートゥースの力を借りて彼らを助け出すことにしました。
まずはホワイトクィーンのテレパシー能力を使って若い世代のミュータント達がどこにいるのか?突き止めます。
最初に見つかったのは、黒人青年のエベレット・トーマスでした。
後にシンクと名乗るエベレットは、周りのミュータントの力とシンクロすることでその能力をコピー出来る力を持っています。
バンシーとセイバートゥースが、襲い掛かるファランクスから危機一髪のところでエベレットを救出します。
その後はエベレットの強力なミュータント能力の力も借り、大量のファランクスの相手をすることになります。
ここでホワイトクィーンが、エベレットの潜在意識を覗き込み、その真の力を発揮させることにします。
ジュビリーのプラズマボルトを発する能力は、ジュビリー自身が恐怖のあまり使いきれていない部分がありました。
その心の制御を外して使うにはエベレットのシンクロ能力でコピーして使ってもらうしかありません。
ジュビリーの能力をシンクロしたエベレットは、プラズマボルトの能力を最大限に発揮して大爆発を巻き起こします。
これによって一時的にファランクスの猛攻を防ぐことが出来ました。
ホワイトクィーンは、過去にもアイスマンの身体を使ってその真の能力を発揮させることもしていました。
本来ならオメガクラス級のミュータント能力を持つアイスマンも、心の弱さからその真の力を発揮できていませんでしたからね。
戦いの最中もホワイトクィーンがテレパシーで他のミュータントを探していたのですが、どうやら遅かったようで他の5人の若いミュータント達は既に他のファランクスの手によって誘拐されてしまいました。
ファランクスの猛攻を何とか防いでいたその時、ジュビリーがあることに気が付きます。
「ね、みんな聞いてよ。何か気づかない?さっきから一言もしゃべってない人がいない?無口な性格とはほど遠い人でさ。」
このどさくさに紛れて、牙と爪を保護する保護具が外れたセイバートゥースが逃げ出していました!
この期に及んでセイバートゥースが裏切ったのでしょうか⁉
『マーヴルクロスNo.3』
サノスが表紙を飾る第4号は『インフィニティ・ガントレット』の物語も佳境に入った第4話が掲載されています。
その他にも当時の最新映画だったトム・クルーズ主演の『ミッション・インポッシブル』のアメコミ・バージョンも掲載された貴重な号になります。
そのためか『ジェネレーション・ネクスト』の第3話は、雑誌の最後に掲載されることになりました。
『ジェネレーション・ネクスト』パート3
まるで『ミッション・インポッシブル』であるかのように、ファランクスに連れ去られた若いミュータント達をバンシー、ジュビリー、ホワイトクィーン、エベレットのたった4人で救出するという「不可能な作戦」が実行されようとしています。
誘拐され貨物船に閉じ込められた若い世代のミュータント達は、キャノンボールの妹ペイジ・ガスリー、モナコの裕福な家庭に生まれたモネ・サンクロワ、口の悪いアンジェロ・エスピノーサ、気の弱いクラリス・ファーガソン、優等生タイプのグレゴリーの5名です。
グレゴリーのみファイリー・ネームが判明していないのですが……その出自はすぐに判明します。
お高くとまったモネ・サンクロワことMは、飛行能力と超人的な力だけでなくテレパシー能力までも持ち合わせる強力なミュータントです。
その彼女が、あっという間にグレゴリーがファランクスが化けた偽物であることに気が付きます。
そのままグレゴリーをやっつけてしまうのですが、『ジェネレーションX』はこれまでのX-MENとは違って通常のステレオタイプでは収まらないキャラ設定がされていることがこのことからわかります。
本来ならチームのリーダーを任されそうな白人で優等生タイプのグレゴリーが実は偽物で、元ストリート・ギャングだったラテン系のアンジェロが実はナイスガイ、アフリカン・アメリカンのエベレットがチームリーダータイプのしっかり者、自分に自信を持っていそうな白人美女のペイジが自信家ではなかったり、そして教師の言うことを聞くお人よし設定が多いアジア系のジュビリーが問題児という従来とは違った人種による偏見のないキャラ設定がされているのも好印象です。
結局は強力な力を持つMの活躍もあって、残った4人は自力で脱出することが出来ました。
その頃、バンシーとホワイトクィーンは、情報集めの為シールドの基地に潜入していました。
そこでコンピュータから4人の居所を掴みます。
バンシーとホワイトクィーンが外出中に、ジュビリーは新たな仲間となったエベレットと話していました。
自分の未熟さに気を落とすジュビリーを気に掛けるエベレットでしたが、同じチームリーダータイプと言ってもサイクロップスとは違って「物事をはっきり口に出して言う性格」のエベレットに辛辣に慰めてもらっていました。(笑)
この辺も「しらけ世代」というか90年代以降の若者って感じが出ています。
本来なら遠回しに言うべき表現でも、相手が傷つくとわからずに自分の言いたいことだけをズバッて言う……正直者で良い部分もありますが、不快に感じる人もいることでしょう。
しかしこの辺から、それまでの「優等生で良い子ちゃん」ばかりのX-MENのイメージと違ってきています。
果たして自力で逃げ出そうとする4人を、バンシーは救い出すことが出来るのか?
『マーヴルクロスNo.4』
『ジェネレーション・ネクスト』の最終話が掲載された第5号は、ホワイトクィーンことエマ・フロストが表紙を飾っています。
その昔は、お色気担当のヴィランでしかありませんでしたが……まさかこの後X-MENにとって重要なメンバーになるとは!
さて、本誌では最初に『サンディエゴ・コミックコンベンション』の様子を写真付きでレポートした特集が7ページに渡って紹介されています。
その後、第1号から続く『インフィニティ・ガントレット』が掲載されています。
次の第6号で完結するので、本誌は最後の決戦前といったところです。
その次に『ジェネレーション・ネクスト』の最終話があり、最後の3作目にはジュビリーが『ジェネレーションX』に参加するため『恵まれし子らの学園』を去る感動の物語も収録されています。
『ジェネレーション・ネクスト』パート4
『ジェネレーション・ネクスト』最終話となる第4話では、攫われた4人の居所を掴んだバンシーたちが貨物船へと助けにやってきます。
しかし時すでに遅し……ファランクスのボスに見つかってしまった4人はファランクスの手によって始末されようとしていました……。
強力な力を持っていると言えど、まだ戦闘経験の浅いMだけではファランクスのボスに立ち向かうことすらできません。
ただただ脅えて殺されるのを待つしかなかった4人の前に突如助っ人が現れます!
なんと、第2話で逃げ出したセイバートゥースでした!
セイバートゥースの助けもあり、バンシーたちも無事に4人を救い出すことが出来た……と思った矢先にファランクスの捨て身の攻撃を防ごうとクラリス・ファーガソンがテレポート能力と共にファランクスを道連れにしてしまいます。(※後にブリンクとして復活)
さっそく犠牲者を出してしまったことを悲しむバンシーたちでしたが、残りの3人を救出することには成功しました。
こうして物語は、バンシーとホワイトクィーンが教師を務める新世代のミュータント・チーム『ジェネレーションX』へと続きます。
『ジェネレーションX』プロローグ 『恵まれし子らの学園』を去るジュビリー
『ジェネレーションX』が本格的に始まる前に『恵まれし子らの学園』を去るジュビリーの物語が掲載されています。
ジュビリーが、ニューヨーク州ウエストチェスター群セイラムセンターにある『恵まれし子らの学園』を出て、マサチューセッツ州西部にある『ジェネレーションX』の分校へと向かいます。
その前にX-MENの各メンバーに別れを告げる物語がとても感動的だったりします。
残念ながらジュビリーが相棒を務めたウルヴァリンは、『フェイタル・アトラクション』事件の後、先に『恵まれし子らの学園』を去っているので既にここにはいません。
しかしジュビリーとアークエンジェルの普段見ない珍しいやり取りが感動的だったのでご紹介したいと思います。
荷物を片付けて部屋を後にするジュビリーのもとに突然アークエンジェルことウォーレン・ワージントンがやってきました。
かつてプレイボーイで成らしたモテ男も、アポカリプスの改造によって感情の無くなった別人のような冷めた性格に変わっています。
「しらけ世代」の『ジェネレーションX』のような、自分を受け入れてもらいたい願いとその反発から現れる見せかけの冷たさではありません。
彼の場合は、本当に感情を無くしてしまったのです。
突如ジュビリーの前に現れたウォーレンは話し始めます。
アークエンジェル「幸運をジュビリー もし僕達の…」
ジュビリー「やめてよ」
アークエンジェル「何だって?」
ジュビリー「やめてよって言ったのよ!幸運なんて関係ないでしょウォーレン!」
ジュビリーの突然の怒りに動揺するウォーレン……
ジュビリー「それよ、無口の塊のくせに…あたしがここにいた間にあんたの長いセリフを聞いた事なんて3回もないわ。それで、私が出ていこうとしたら急に私の事が心配になったってわけ?そんなのごめんよ!」
アークエンジェル「その言い方はフェアじゃないな。君の事はずっと心配してたさ。確かに僕は感情を表すのは得意とは言いがたい…でも…」
ジュビリー「人間らしいって言葉知ってる?たまには練習してもいいんじゃないの?」
ジュビリーはX-MENに加入する前、両親を亡くしています。
しかしその両親とはもともと疎遠であったため、愛情を感じることはあまりなかったようでした。
むしろウルヴァリン達には親しさを感じているのに、両親に対してはそう感じれないことで悩んでいました。
そんなジュビリーが、今は彼らX-MENのもとを離れることを悲しく感じているようです。
表面上は強がって生意気な少女を演じていますが、心の中では寂しさを募らせているのでしょう。
ジュビリー「あなたがそんなふうになってほしくなかっただけ…ねぇ、好きな人に好きだって伝えるのは悪いことなんかじゃないでしょ?」
アークエンジェル「ああジュビリー。何も悪くなんかないさ。」
ウルヴァリンが『フェイタル・アトラクション』事件で昏睡状態に陥った時、ジーンを守るために奇跡的に復活したシーンと同じくらい好きなシーンです。
ここでいうジュビリーの「好きな人」というには、別にウォーレンに対して男女間の恋愛感情があるのではなく、兄弟の様な親しさを感じているということです。
ウォーレンだけでなく、サイクロップスやガンビット達もジュビリーのことを妹のように可愛がっていたということです。
実の両親に告げることが出来なかった感情を、X-MENのメンバーに伝えることが出来たのは彼女にとっての成長だったのではないでしょうか。
それも、元プレイボーイで今は感情を無くしたアークエンジェルに伝えるというのも、また面白い展開です。
最後にジュビリーはプロフェッサーXに別れを告げて『恵まれし子らの学園』から出ていきます。
ジュビリー「しーっ何も…言わないで。でないと泣いちゃうから…」
その言葉通りにプロフェッサーXは、何も言うことなくジュビリーを見送ります。
こうしてジュビリーは『ジェネレーションX』のメンバーへとなりました。
そして本誌の最後に衝撃的な予告が……
『チャールズ・エグゼビア死す』
これは一体⁉
以上、【新世代のX-MENのチーム『ジェネレーションX』が結成するまでの前日譚『ジェネレーション・ネクスト』を読もう!】でした。
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